このような自民党議員のみをターゲットとした「裏金議員」のレッテル貼りは、放送法4条に違反しているばかりか、公共の電波を使ったテレビメディアによる落選運動の可能性すらあります。
国民を差し置いて勝手に選挙の争点を設定
浜田敬子氏:今回の選挙はもちろん今度の選挙はもちろん「政治とカネ」「裏金問題」そして「旧統一教会問題」がメインに問われるべきだが、一方で将来のグランドデザインを示す政党がない。
荻上チキ氏:有権者行動のなかでは経済政策に対する注目度が非常に高い。本当は経済論戦を長い期間予算委員会で重ねてブラッシュアップした先に投票したい。
『サンデーモーニング』の極めて悪質な大衆操作は、コメンテーターが勝手に「政治とカネ、裏金問題、旧統一教会問題がメインに問われるべき」と、国民を差し置いて勝手に選挙の争点を設定してしまうことです。
その争点は、100兆円の予算規模を何に使うかという国民生活に関わる重要課題ではなく、5年でたかだか数億円の政治資金不記載問題と政治家にはまったく非がない統一教会問題です。このような勝手な【アジェンダセッティング】は【論点隠蔽】以外の何物でもありません。
しかも論点を隠蔽しておいて、唐突に「将来のグランドデザインを示す政党がない」と言い出すのもどうかしています。
ここ数年来、『サンデーモーニング』が報じてきたことと言えば、「モリカケ桜」「五輪」「コロナ」「統一教会」「裏金」といった国民生活とはまったく無関係の政府批判ネタと政治家の失言ネタが中心であり、政策ネタなど殆どありませんでした。
そもそも、国会における実りある経済論戦を阻害し、予算委員会を自民党議員のスキャンダル追及の場にしているのは、テレビメディアの影響が大きいと考えられます。国民生活などどうでもよい野党の左翼議員は、テレビメディアが取り上げない経済論戦よりも、テレビメディアが確実に取り上げてくれて票に結び付くスキャンダル追及を優先するのです。
特に高齢者優遇の社会保障の改革が絶対条件となる「将来のグランドデザイン」には、番組のメイン視聴者である高齢者層への配慮のためか、一切触れることはありません。
国民の関心を重要政策から完全に逸らせておいて、選挙の時だけアリバイ作りのように一言二言だけ政策課題に触れるのは不誠実としか言いようがありません。