地元の意向を無視する活動家たち
私は暴行を受けた後も、引き続き違法テントを挟んだ道路の反対側で演説を行っていたところ、がっちりとした体つきに濃いサングラス、小型のブルドッグを連れた方が歩いてきて、演説している私の正面、道を挟んだ向こう側の路肩の縁石に腰を下ろして、私の演説を聞き始めた。
こわもて姿だったので、「文句でも言われるのかな?」と思いながらも演説を続け、しばらくして私の演説が終わると、その人は「パチパチパチ」と拍手してスッと立ち上がり、そのまま悠々と去っていった。犬を連れていたので近くの住民の方だと思うが、テントにいた活動家たちも、その方には何も言わず近づかなかった。活動家たちは、きっと過去にこの方に何か言われたのだろう。
令和3(2021)年には、辺野古地区など名護市のキャンプ・シュワブに隣接する3地区が、辺野古移設への反対活動における違法駐車の取り締まり徹底や、テントの撤去を関係機関に要請した。こうした要請は、地元から繰り返し行われている。
今年4月末に沖縄を訪問した際に、2度、辺野古の違法テント前を通った。日中と夕方だったが、テントには誰もいなかった。いずれも休日だったので、反基地運動はお休みだったのだろうか。地元の根強い反対運動であれば、こうした日にも誰かはいるであろう。
このように地元の意向を無視する形で行われている辺野古関連の反基地運動。しかも今回は、ダンプの前に飛び出した反基地運動参加者を、危ないので止めようとした警備員がダンプに巻き込まれて亡くなった。活動家たちはこの事実をどう捉えるのか。革命のためには暴力も辞せずという過激派の思想であるから関係ないのか。
我々はこの事実を深刻に捉え、違法な反基地運動の取り締まりを強化させる。6月の沖縄県議選では辺野古移設容認派が議席を増やし、玉城デニー知事不支持勢力が過半数を超えた。辺野古の方々の意思を尊重しながら粛々と辺野古移設を進め、普天間基地の危険除去と跡地利用を進めなくてはならない。
著者略歴
1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。