トランプが「民主主義を破壊する」のか?
スタジオトークでは最初に目加田説子氏がコメントします。
目加田説子氏:指摘の通り、バイデン氏は弱々しかったり、言葉に詰まったりする場面があって、今後4年間託してよいのだろうかと不安になる有権者がいたと思う。一方でトランプ氏の虚偽発言とか、相手を汚い言葉で罵るような態度とかいうものが、もう一度託してよいのかということも不安に感じる有権者が多かっただろう。結果として、ダブル・ヘイターズが増えてしまった。(中略)。来年からトランプ氏になるのはどう考えても民主主義を破壊して行くような側面から判断しても相応しくないと思う。
そもそも民主党は、党内の健全な分裂を起こすことなく、高齢に不安があることを当初から認識してバイデン氏を指名したのであり、その責任は民主党と民主党支持者自身にあります。今更文句を言うのは無責任です。政策ベースではなく、戦略ベースで考えた場合、党内中道の若手を指名すれば、高確率でトランプ氏に勝利したはずです。
さて、目加田氏の「どう考えても民主主義を破壊するのでトランプ氏は相応しくない」という主張は、テレビ報道に相応しくありません。
まず、トランプ氏が公正な選挙によって大統領になるとすれば、それは【民主主義 democracy】によるものです。民主主義とは政治的支配体制の一つであり、被治者である国民が治者となる国民の代表を公正な選挙によって指名するものです。
一方、トランプ氏の政治的イデオロギーは、政治的社会権および経済的社会権を得るために政治的自由権および経済的自由権を制限する【ポピュリズム populism】あるいは【全体主義 totalitarianism】と呼ばれるものです。
目加田氏は、この政治的イデオロギーと政治的支配体制を混同しています。選挙が公正である限り、ポピュリズム政治も全体主義政治も民主主義政権下で行われます。公正な選挙で大統領に指名されたトランプ氏が「どう考えても民主主義を破壊する」というのは不合理です。
当然のことながら、このことを根拠としてトランプ氏を大統領に「相応しくない」とするのも不合理です。そもそも、特定の政治的価値観を視聴者に強要するようなテレビ報道は放送法違反です。
さて、ここで孫正義氏の登場です。