印象で大統領を品定め
膳場貴子氏:孫さんは、トランプ大統領ともバイデン大統領とも会ったことがあるということで、この選挙戦をどういう目で見ていますか。
孫正義氏:大変ですよね。声が枯れるって僕も声が枯れていますけど。二人とも直接会っていろいろ話をすると、凄く頭が聡明ですし、世界に影響を与える選挙ですから頑張って欲しい。どちらも本当に素晴らしいいろいろな考えを持っていますし、どうなるんでしょうね。僕もドキドキして見ています。
膳場貴子氏:傍から見ていると、トランプ大統領はそれこそ民主主義を壊すのではないかと思うような発言があったり、バイデン氏の弱々しさを感じるんですけど、それは直接対面してみるとどんな印象ですか。
孫正義氏:あれは、ややトランプ大統領のスタイルですね。わーっと追い込んで最後は落し所をそれなりに見つけてというビジネス的な交渉のスタイルみたいなのは若い時からですからね。でもそれぞれが重要な異なった視点を持ってますから、僕も専門家ではないのですが、非常に重要な選挙だと思う。タイミング的にもね。
膳場貴子氏:バイデン氏の弱々しさは実際に会うとどうでしたか。
孫正義氏:やっぱりしっかりしていましたよ。実際に目の前で相当長い時間スピーチもしましたけど、あの日は元気でしたけど、逆にビックリしました。
孫正義氏は、実際の二人を知る立場から、『サンデーモーニング』が制作したVTRや目加田説子氏の見解を、残酷なまでにことごとく全否定しました(笑)。『サンデーモーニング』が、それらしい一方的な見方を視聴者に与えているだけであることがわかります。
松原耕二氏:ゴアvsブッシュという戦いがあって、ゴア副大統領が、あまりにもブッシュ氏の言っていることが「下らねーこと言っているな」みたいな顔で溜息を何回もついて、その音を拾われてしまって、「そんな男だ」と結局負けちゃうわけです。いかに映像の力と言うか、怖さと言うか。
今回トランプ氏がルールを意外にも守った。だからなんかプレジデンシャルというか、大統領っぽく見えてしまう。逆にバイデン氏は3月の一般教書演説では物凄く力強くて、民主党も「大丈夫じゃないか」って感じだった。ところが今回は民主党的には最悪の結果と言うか、残酷なまでに年齢の限界を感じさせてしまった。