神宮外苑の再開発は、公金を一切入れられない宗教法人である明治神宮が、市民にとって重要な存在である明治神宮の内苑・外苑を、公的資金に頼らず維持するために行なうプロジェクトです。そんな殊勝な事業者を『サンデーモーニング』は有無を言わさず、斬りまくったのです。
元村有希子氏(2023年9月24日):この再開発に欠けているものが3つある。
①一つは民主的な手続きだ。住民の方々への丁寧な説明や合意形成のプロセスを軽視してきている。
②それから、生態系の役割への理解が足りない。「木を移植します」と言っているけれども木は部品じゃない。土を含めての生態系を作っている。それから、二酸化炭素を吸収する役割がある。そういったものを軽視し過ぎている。
③もう一つは歴史や文化への理解のなさだ。文化・歴史は新しく作ることもできるが、わざわざ壊してまで作るものではない。イコモスのヘリテージ・アラートも文化的なものの損失に凄く言及していた。
「ノスタルジーとか、木に命があると言っていたら始まらない」と事業者は思っているかもしれないが、そういう時代になってきていることを、もう1回噛みしめるべきだ。
以上は極めて自己中心的な欺瞞に満ちたコメントに他なりません。
権力者が民間事業に介入するのか
まず①について、神宮外苑は基本的に明治神宮の私有地です。
権力者が民間の進める事業に法を超えて介入することは自由主義社会を否定するものです。明治神宮は、神宮外苑を国民が公平に使用でき、施設を低価格で提供するなど献身的な施設運営を行っています。
また、今回のプロジェクトも民主的な法制度に則って環境影響評価を受けています。ここにイコモスが登場して常軌を逸するような不服を述べている状況にあります。