日本保守党初陣の裏方日記|広沢一郎

日本保守党初陣の裏方日記|広沢一郎

日本保守党事務局次長の広沢一郎氏が日本保守党の初陣となった選挙戦の舞台裏をはじめて綴る。〈あれこれ探している時間がなかったので今回は私が2011年の県議選用に買った自転車を名古屋から運びました〉


次にノボリですが、毎回ヒモでノボリを縛るやり方では面倒で忙しい選挙の最中はやっていられません。よくやるのは鉄パイプを自転車本体に溶接してとりつけたり、塩ビのパイプをどうにかして取り付ける方法ですが、今回は自転車が小径タイプのためシートポストと後輪の間に空間があり、そこにノボリを差し込むベースを取り付けることにしました。シートポストにダブルスーパークランプを取り付け、その先にベースとして太めの突っ張り棒の片側を取り付けました。なお道路交通法では自転車の積載物は高さ2m以内と定められているため、ノボリは途中を織り込んで対応しました。

選挙活動に答えはない

選挙活動というのはどうにも、何が効果があって何が無いのか見えにくいものです。なので人によって意見がまちまちで、ミニ集会が鍵だという人もいれば自転車に乗らにゃあ、という人もいて私も未だに何が最適かわかりません。選挙が始まった時にはほぼ結果は決まっている、という意見もあります。

ミニ集会が効果があるのは以下のような経路だと思われます。候補または陣営が顔の広そうな支援者に喫茶店でのミニ集会の開催を依頼する。依頼された人は私の顔を立てて、といって近所の人を呼び込む。呼ばれた人はめんどくさいなあ、と思いつつも参加して直接候補の話を聞くと情が湧いてまあ入れてあげようか、となる。

肌感覚としても、ポスティングされたビラを比較して投票行動を決める人は多くはなく、テレビの報道で決めたり、あの人はよく駅前でしゃべって頑張っているからとか、直接候補者を見たり聞いたりすると投票につながりやすいと思います。

「本気で勝てるかも」陣営一同盛り上がった瞬間

こうして準備万端整って始まった選挙戦、まずは初日の富岡八幡宮で1000人を超える大観衆を迎えて始まりました。よくマスコミから手応えはどうですか、と度々聞かれましたが、本音で手応えは日々十分過ぎるほどありました。どこへ行っても大勢の方が聞いて下さり、突発的に行った街宣でも徐々に人が集まってきて最後の方はかなりの数になることが多かったです。

期日前投票が始まってからはマスコミによる出口調査の情報も入り始め、3位から2位に上がったと聞いたときは陣営一同盛り上がりました。このまま行けば勝てる、と。

しかし結果は14%を得票しながらも残念ながら4位でした。

まずまずだという評価もありますが、本気で勝てるかも、と思っていた我々としては落胆は隠せませんでした。

関連する投稿


【緊急寄稿】フジテレビ問題 誰も書かないもう一つの闇|平井宏治【2025年4月号】

【緊急寄稿】フジテレビ問題 誰も書かないもう一つの闇|平井宏治【2025年4月号】

月刊Hanada2025年4月号に掲載の『【緊急寄稿】フジテレビ問題 誰も書かないもう一つの闇|平井宏治【2025年4月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


わが日本保守党と「4つの縦糸」|小坂英二

わが日本保守党と「4つの縦糸」|小坂英二

なぜ完全無所属から日本保守党結党メンバーの地方議員となったのか――小坂英二東京都荒川区議会議員がはじめて綴った日本保守党と祖国への熱き想い。


わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

昨今の政治状況が多くの日本人の心に危機感を抱かせ、「保守」の気持ちが高まっている。いま行動しなければ日本は失われた50年になってしまう。日本を豊かに、強くするため――縁の下の力持ち、日本保守党事務局次長、広沢一郎氏がはじめて綴った秘話に投票3日前の想いを緊急加筆。


与党にはびこる〝中国共産党代理人〟|長尾たかし

与党にはびこる〝中国共産党代理人〟|長尾たかし

欧米各国が中国による人権侵害を事実認定して、政府や議会において対応すべく法整備が整っているのに、なぜ日本だけは一歩も前に進めないのでしょうか。永田町、霞が関の広範囲にわたって、中国共産党の呪いがかけられているとしか思えません――。


橋下徹よ、「不戦」はプーチンに言え|有本香

橋下徹よ、「不戦」はプーチンに言え|有本香

「中国をこっちに引き寄せるには、お願いかお土産が先やろ。制裁をちらつかせるのは最後の手段。こんな建前政治は、解決能力なし。ほんまアカン」と橋下徹氏。「ほんまアカン」のはいったい誰なのか? 月刊『Hanada』の大人気連載「香論乙駁」(2022年5月号)を特別公開!


最新の投稿


異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

成年後見制度の実態が国民にほとんど知らされていないのはなぜなのか? 制度を利用したばかりに民主主義国家にあるまじき凄まじい人権侵害を受け、苦しんでいる人が大勢いる。法制審議会は成年後見制度の見直しに向けた議論を行っており、今年6月10日に見直しに関する中間試案を公表したが――。


【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


【読書亡羊】雑誌「冬の時代」が過ぎて春が来る?  永田大輔・近藤和都(編著)『雑誌利用のメディア社会学』(ナカニシヤ出版)|梶原麻衣子

【読書亡羊】雑誌「冬の時代」が過ぎて春が来る? 永田大輔・近藤和都(編著)『雑誌利用のメディア社会学』(ナカニシヤ出版)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!