「派閥全廃」は党改革の出発点に過ぎない!|和田政宗

「派閥全廃」は党改革の出発点に過ぎない!|和田政宗

派閥全廃とその先の根本的な党改革を構築するため、「政治(まつりごと)変革会議」を今月22日に結成した。党変革、政治変革が中途半端に終われば、自民党は国民の信を失い、下野し、将来消滅する――。(サムネイルは自民党HPより)


なぜ「政治変革会議」を立ち上げたのか

今月26日に通常国会が始まったが、自民党の派閥パーティーをめぐる政治資金問題が大きな議論となっている。能登半島地震への対応に全力であたらなくてはならないときに、このような問題に審議時間が割かれることについて我が党は大いに反省しなくてはならない。何よりも根本的な党改革を実行することが重要である。

25日には自民党政治刷新本部の「中間取りまとめ」が発表された。内容は、党改革についての骨子であり、最終とりまとめに向けさらに深く議論をし、改革の姿を決めていかなければならない。

私は「派閥全廃が党改革の出発点である」と主張してきたが、党刷新本部での中間取りまとめに向け、意志を同じくする仲間たちと、派閥全廃とその先の根本的な党改革を構築するため、「政治(まつりごと)変革会議」を今月22日に結成した。我が党は解体的出直しを行わなければ政権を失うという危機感から結成を呼びかけたもので、青山繁晴参院議員をはじめ合計15人が参加した。

「政治(まつりごと)変革会議」は、政治変革だけを議論と実現の目的とする。こうした議員連盟を結成すると、「派閥と一緒では?」との疑問が呈されるが、今回は政治変革だけが目的であり、名称も「議員連盟」とせず「会議」とした。会議であるので、自民党所属議員であれば誰でも参加は自由である。

そして、「政治(まつりごと)変革会議」では、派閥の全廃こそが党改革の出発点であることの一致をみて、党政治刷新本部会議でもそれぞれの参加議員が提起を行ったが、我々の目的は派閥全廃ではなく、派閥全廃をした上で、党の根本的変革をどのように構築していくかである。

派閥を全廃し、これまでの枠組みをまっさらな状態としなければ、解体的出直しはできないという考えからである。

解決策は派閥の政治団体登録禁止!

しかしながら、党政治刷新本部の「中間取りまとめ」は、派閥を存続するか否かの部分に多くの部分が割かれた。派閥パーティーは禁止となったが、従来の派閥の活動のほとんどはこれまで通りできるようになっており、最終とりまとめではこの点についてさらなる改革が必要である。

そもそも今回の問題の発端は「派閥」であり、政治資金を適正処理していた派閥であっても、国民からは派閥による「人事の差配」「お金の配分」について強い疑問を持たれている。だからこそ派閥の全廃が党変革の前提であり、これは派閥の政治団体登録を禁止すればすぐに解決する。

派閥を政治団体登録しなければ、パーティーも開催できず政治献金も受けられない。資金も集められないので派閥として所属議員に資金を配分することもできない。極めてシンプルな解決方法であるが、今回の「中間取りまとめ」には盛り込まれていない。「政治(まつりごと)変革会議」では、政治団体登録禁止の実現を求めていく。

一方、我々は政策集団自体を否定しているものではない。旧態依然の派閥ではなく、国家国民のための政治を行うための政権構想や政策を練り上げる集団は、結成して構わないと考える。自民党の本来の政策集団は、「この人物を総理総裁に」と集い、政策を練り上げ、政策集団間で切磋琢磨し、総裁選を戦い、国家国民のための政策を実現していった。

これらは、現状の派閥でなくともできる。一旦、派閥を全廃し、すべてをまっさらな状態にした上で、こうした政策集団ができていくべきである。

関連する投稿


現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】

現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】

月刊Hanada2025年8月号に掲載の『現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

イランとイスラエルは停戦合意をしたが、ホルムズ海峡封鎖という「最悪のシナリオ」は今後も残り続けるのだろうか。元衆議院議員の長尾たかし氏は次のような見解を示している。「イランはホルムズ海峡の封鎖ができない」。なぜなのか。


「ある意味、地獄が待ってます」退職自衛官を苦しめる若年給付金の返納ルール|小笠原理恵

「ある意味、地獄が待ってます」退職自衛官を苦しめる若年給付金の返納ルール|小笠原理恵

ある駐屯地で合言葉のように使われている言葉があるという。「また小笠原理恵に書かれるぞ!」。「書くな!」と恫喝されても、「自衛隊の悪口を言っている」などと誹謗中傷されても、私は、自衛隊の処遇改善を訴え続ける!


【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

米軍では最も高価で大切な装備は“軍人そのもの”だ。しかし、日本はどうであろうか。訓練や災害派遣で、自衛隊員たちは未だに荷物と一緒にトラックの荷台に乗せられている――。こんなことを一体、いつまで続けるつもりなのか。


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!


最新の投稿


【天下の暴論】石破総理、とっとと退陣してくれ!|花田紀凱

【天下の暴論】石破総理、とっとと退陣してくれ!|花田紀凱

28年間、夕刊フジで連載され、惜しまれつつ終了した「天下の暴論」が、Hanadaプラスで更にパワーアップして復活!


現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】

現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】

月刊Hanada2025年8月号に掲載の『現場からの自由民主党改造計画|青山繁晴【2025年8月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】減税ポピュリズム政党の勝利|藤原かずえ

【今週のサンモニ】減税ポピュリズム政党の勝利|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


選挙妨害に屈しません!杉田水脈、絶対に負けられない戦い

選挙妨害に屈しません!杉田水脈、絶対に負けられない戦い

月刊Hanada 公式YouTubeチャンネルに投稿した『選挙妨害に屈しません!杉田水脈、絶対に負けられない戦い』の内容をAIを使って要約・紹介。


日本心臓病学会創設理事長が告発 続発する手術死、医療事故隠蔽 東大OB医師の〝殺人〟|坂本二哉【2025年8月号】

日本心臓病学会創設理事長が告発 続発する手術死、医療事故隠蔽 東大OB医師の〝殺人〟|坂本二哉【2025年8月号】

月刊Hanada2025年8月号に掲載の『日本心臓病学会創設理事長が告発 続発する手術死、医療事故隠蔽 東大OB医師の〝殺人〟|坂本二哉【2025年8月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。