声高に問題を叫ぶだけでは何も解決しない
補完的保護対象者(準難民)制度導入についても、誤解が広がっている。この制度は、政府が今年の入管法改正のなかに取り入れたものであるが、ウクライナの紛争避難者やウイグルの方々などを念頭に置いた制度である。
であるので、不法滞在狙いの外国人が「政治的弾圧を受けた」「紛争避難民」であると主張したことをもって、準難民とされることはない。難民審査と同様、厳格な審査が行われる。
なお、「政治的弾圧を受け政治犯とされたウイグル人やミャンマー人等も準難民の対象となる」と私が発信したところ、ある大学の准教授の方が、こうした方々は難民対象であり誤りだと指摘しているが、私は繰り返し入管庁に確認した上で発信したものである。
こうした方々は、難民として認定される場合もあるし準難民として認定される場合もあるので、この准教授の方は入管庁に確認していただけたらと思う。この方は、「入管法審議中に国会参考人として意見を述べた」と発信しているが、国会での参考人質疑でこの方は、現状の難民認定基準を緩めるべきとの方向性でお話をされている。
行政の運用と、学者の考えは異なる場合があり、法令に基づき行政がどのように運用するか確認することが重要であり、確認して私は発信した。
我が国における難民審査が緩められることはあってはならず、これまで述べてきた取り組みが進めば、不法滞在での違法就労やトラブルなどの根本的減少に繋がっていく。そして、これらの取り組みを進めるためには入管行政の体制強化が必要である。人員増や新システムの導入には予算が必要となる。
私は率先して予算獲得にも行動していく。声高に問題を叫ぶだけでは何も解決しない。行動によって解決を図っていく。
著者略歴
1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。