元村有希子氏:オッペンハイマー氏はトリニティで実験成功した時に「周囲、誰も喜んでいなかった」、「インドの教典の『われは死なり、世界の破壊者なり』という言葉を思い出していた」と振り返っていた。創った側がその非人道性をわかっているようなものはない方がいいに決まっている。広島平和資料館の一番大きい写真に写っている少女の息子さんが「核の非人道性はまだ世界の隅々まで知られていない」と言っている。では日本が言わずに誰が言うのか。
三輪記子氏:戦争がいかに愚かなことか、私たちは現在進行形で見ている。過去日本も愚かな行為をした。事実に向き合うことは絶対必要だ。私たちは愚かな人間だ。しかし、米国も愚かなことをした。その愚かなことに向き合わせるためには、日本しか声を上げる人はいない。その声を上げる時に市民の一人一人の小さな力に任せているような政府ではいけない。政府が一丸となって被爆の悲惨さ・愚かさを伝えることをやらなければいけないのに今まったくそれがされていないことが凄くショックだ。しかし、被害者の声が届いた時には世界が変わる。それを願って声を上げ続けなければいけない。
青木理氏:オバマ政権が核の先制不使用宣言を検討した時に最も反対をしたのが日本だ。むしろ核抑止に異常なほど肯定しているのは日本の方だ。広島・長崎の二度の被爆だけでなく、第五福竜丸もあった。それから福島もあった。核とか原子力と広く捉えると、日本という国は運命的なほど、原子力の被害を、世界でこんな国はないというくらい味わってきたことを考えれば、我々何ができるのかを本当に考えなければいけない。
彼らの大きな勘違いは、日本政府が被爆の悲惨さ・愚かさを米国や世界に向けて発信していないと勝手に思い込んでいることです。しかしながら実態は違います。
例えば、安倍晋三首相は、国連やサミットの発言の場で、核廃絶に向けた取り組みを何度も宣言し、2016年にはオバマ米大統領の広島訪問を実現しました。
約5年にわたる安倍政権の外務大臣時代から「核兵器のない世界」を世界で訴えてきた岸田文雄首相は、G7サミットを広島で開催し、各国首脳と被爆地で献花しました。
G7首脳、初めてそろって原爆死没者慰霊碑に献花 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/video-65644893主要7カ国首脳会議(G7サミット)が19日午前、広島市の原爆ドームのある平和記念公園で始まった。アメリカのバイデン大統領をはじめ首脳たちは、初めてそろって慰霊碑に花輪を手向けた。