日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

「自衛官は泣いている」と題して、「官舎もボロボロ」(23年2月号)、「ざんねんな自衛隊〝めし〟事情」(23年3月号)、「戦闘服もボロボロ」(23年4月号)……など月刊『Hanada』に寄稿し話題を呼んだが、今回は、自衛隊の待遇改善のお手本となるケースをレポートする。


入隊してくれる隊員をいかに増やすか

厚生用品貸出一覧

自衛隊では離島に住む隊員とその家族のために、マリンスポーツやキャンプグッズ等、レクリエーション用品の無料貸し出しサービスがある。官舎には滑り台や子供用遊具もあり、宮古島は子育てがしやすい環境が整っている。そのためか、平均して2~3人のお子さんがいるそうだ。自衛隊の生活環境の向上は離島の少子化、過疎化対策に貢献できる。

「宮古島駐屯地に足らないものはありますか?」と聞いたところ、「駐屯地の体育館にはバスケットリングがないので、地域交流のためにもぜひ欲しい」とのことだ。隊員たちの勤務・生活環境が良ければ、家族も安心して暮らせ、モチベーションも上がる。自衛隊で働きたいと思う人も増えるだろう。

昨年の自衛官候補生の募集は必要数の4割近くまで減った。有識者会議の令和3年度の自衛官等の入隊・退職状況の資料によると入隊する自衛隊員は13,327名のところ、中途退職者が5,742名、任期満了と定年退職者を加えた退職者数は13,439名で、入隊者より自衛隊を去る隊員のほうが多い。

入隊してくれる隊員を増やすことと、入隊した隊員が中途退職しない対策が必要だ。自衛隊員が理想とする生活環境が宮古島にはある。防衛省はこの宮古島の成功例を全国に広げてほしい。

ごはんを食べて懲戒処分!ざんねんな自衛隊〝めし〟事情|小笠原理恵【2023年3月号】

https://hanada-plus.shop/products/409?_pos=2&_sid=a538fbea3&_ss=r

・腹が減っては戦ができぬ・食事を多くとれば懲戒処分・一番まずいのは防衛大学・在日米軍との大いなる違い・受刑者よりちょっとマシ?ページ数:8ページ(PDF)掲載号:月刊Hanada2023年3月号※商品の特性上、購入確定後のキャンセル・交換・返品(返金)はお受けできません。

自腹で買う自衛隊員も!戦闘服ボロボロでこの国を守れるか|小笠原理恵【2023年4月号】

https://hanada-plus.shop/products/435?_pos=1&_sid=a538fbea3&_ss=r

・防弾チョッキ流出疑惑・武器輸出のリスク・「弾が抜けてしまう」・諸外国の軍関係者から疑問・時代遅れの戦闘服・官給品が足りない・自腹で買ったブーツが上・衝撃的な足裏写真・同じ戦闘服を着る理由ページ数:10ページ(PDF)掲載号:月刊Hanada2023年4月号※商品の特性上、購入確定後のキャンセル・交換・返品(返金)はお受けできません。

関連する投稿


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!


なぜ自衛官が集まらないか 元陸幕長と『こんなにひどい自衛隊生活』著者が激突大闘論!|岡部俊哉×小笠原理恵【2025年3月号】

なぜ自衛官が集まらないか 元陸幕長と『こんなにひどい自衛隊生活』著者が激突大闘論!|岡部俊哉×小笠原理恵【2025年3月号】

月刊Hanada2025年3月号に掲載の『なぜ自衛官が集まらないか 元陸幕長と『こんなにひどい自衛隊生活』著者が激突大闘論!|岡部俊哉×小笠原理恵【2025年3月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


要人警護のプロが語る、事件に巻き込まれない方法|小笠原理恵

要人警護のプロが語る、事件に巻き込まれない方法|小笠原理恵

1月22日、JR長野駅前でバスを待つ男女3人が相次いで刃物で殺傷された事件。死亡した49歳の男性は、司法解剖の結果、胸と背中の2カ所に刺し傷があり、死因は失血死。胸の刺し傷は心臓にまで達しており、抵抗の際につく傷や防御創がなかったことから、突然襲われた可能性が高いという。北九州のマクドナルド店内での中学生男女の殺傷事件など、昨今、凶悪な事件が立て続けに起きている。国際ボディーガード協会副長官でもある要人警護のプロ・小山内秀友氏に、事件に巻き込まれない対処方法を聞いた。


自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

潜水手当の不正受給、特定秘密の不正、食堂での不正飲食など、自衛隊に関する「不正」のニュースが流れるたびに、日本の国防は大丈夫かと心配になる。もちろん、不正をすれば処分は当然だ。だが、今回の「特定秘密不正」はそういう問題ではないのである。


『こんなにひどい自衛隊生活』、誕生のきっかけとなった「少佐」との出会い|小笠原理恵

『こんなにひどい自衛隊生活』、誕生のきっかけとなった「少佐」との出会い|小笠原理恵

「なぜ、自衛隊の待遇改善問題に取り組み始めたのでしょうか」。時々、人から聞かれる。「1999年3月に発生した能登半島沖不審船事件に携わった、幹部自衛官とSNSを通じて友人になったからです」と私は答えている。彼のことを私たち、「自衛官守る会」の会員は「少佐」と呼んでいる――。(「まえがき」より)


最新の投稿


【今週のサンモニ】論理破綻な「旧統一教会解散命令」報道|藤原かずえ

【今週のサンモニ】論理破綻な「旧統一教会解散命令」報道|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


大相撲界に噂される「ブラックボックス」|なべやかん

大相撲界に噂される「ブラックボックス」|なべやかん

大人気連載「なべやかん遺産」がシン・シリーズ突入! 芸能界屈指のコレクターであり、都市伝説、オカルト、スピリチュアルな話題大好きな芸人・なべやかんが蒐集した選りすぐりの「怪」な話を紹介!


【今週のサンモニ】潔癖で党総裁になったのに潔癖でなかった石破首相|藤原かずえ

【今週のサンモニ】潔癖で党総裁になったのに潔癖でなかった石破首相|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】悪用厳禁の書! あなたの怒りは「本物」か  ジュリアーノ・ダ・エンポリ著、林昌弘訳『ポピュリズムの仕掛け人』(白水社)|梶原麻衣子

【読書亡羊】悪用厳禁の書! あなたの怒りは「本物」か ジュリアーノ・ダ・エンポリ著、林昌弘訳『ポピュリズムの仕掛け人』(白水社)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!