日米に対して、中国「ゼロ回答」の背景|和田政宗

日米に対して、中国「ゼロ回答」の背景|和田政宗

日中首脳会談が約1年ぶりに開催された。岸田総理は日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置されたブイの即時撤去等を求めたが、中国は「ゼロ回答」であった。聞く耳を持たない中国とどう向き合っていけばいいのか。(サムネイルは首相官邸HPより)


岸田総理はブイの即時撤去を求めたが

日中首脳会談は、現地時間16日18時前から65分にわたって行われた。岸田文雄総理大臣は、尖閣諸島を含む東シナ海情勢や、ロシアとの連携を含む中国による我が国周辺での軍事活動の活発化について深刻な懸念を表明した。

また、日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置された中国のブイの即時撤去を求めた。これは、私を含め自民党内の「日本の尊厳と国益を護る会」等が要請してきたもので、岸田総理が首脳会談で直接要求したことは評価できる。

しかし、もし要求に対し中国が即座に対応しないのであれば、我が国は自らの手で撤去すべきである。こうしたブイの撤去について国連海洋法条約は何も定めておらず、総理大臣が決断すれば撤去できる。放置すれば、同様のブイを中国はさらにいくつも設置することは明らかであり、断固とした対応が必要だ。

さらに、岸田総理は習近平主席に対し、台湾海峡の平和と安定を求め、中国で拘束されている日本人の早期解放、ALPS処理水の海洋放出において、中国が取った日本産食品輸入規制の即時撤廃を求めた。

これらについても中国は「ゼロ回答」であったが、我が国は、「お互いの立場に隔たりがあると認識しながら、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見い出していくこと」を中国と合意するという、進展した成果は得られない内容であった。

日中首脳会談、米中首脳会談からわかることは、我が国に対する中国の反応は変わらず強気の内容であったが、米国に対しての「ゼロ回答」ぶりは中国が米国を上回り、世界の支配国となることを念頭に置いてのことである。極めて危険なことであり、台湾侵略を抑止する観点からも日米同盟を基軸に同志国とともに軍事的にも外交的にも連携を強めなくてはならない。

聞く耳を持たない中国に対してはもう力による抑止しかない。我々が断固とした姿勢で結束しているという姿勢を、各種の軍事演習や外交会談を繰り返し開催することで強く示していかなくてはならない。

著者略歴

和田政宗

https://hanada-plus.jp/articles/681

1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。

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