望月記者の行動は活動家の所業
こうした行動に加え、望月氏はジャニーズ事務所の9月の1回目の記者会見でも、10分以上にわたって持論を展開し質問するなどしたことから、ジャニーズ事務所側が警戒するのも当然のことといえる。鋭い追及なら当然真摯に答えるべきだが、会見をメチャクチャにされる恐れがあるのであれば、それに備えるのは当然のことだ。
実際に今月2日の2回目の会見では、望月記者は指名されていないのにマイクなしで質問した。その後も、「一社一問」ルールを無視して強引に質問しようとし、司会者から「最初に申し上げております。一社一問でお願いします。ご協力ください」と注意されたうえ、質問に答えていた井ノ原快彦氏からも、「落ち着いていきましょう」「できる限りルールを守っていく大人たちの姿を、この会見では見せていきたいと僕は思っています。どうかどうか落ち着いてお願いします」となだめられる状況であった。
私は繰り返し本誌においてもジャーナリズムのレベル低下を指摘してきたが、望月記者の行動は、それ以前のもので、ジャーナリストとしての活動ではなく活動家の所業である。
ジャーナリズムとは何かということをはき違えた人物たちにより我が国のジャーナリズムが破壊されることは、ジャーナリズム出身者としても許せないし、このようなものがジャーナリズムかと国民に認識されることは忍びない。「記者会見で当てられなかった」と文句を言うよりも、より深くジャニーズ問題を調査し記事にすることのほうが重要である。
「モリ・カケ」の時から顕著であるが、事実が何なのか徹底的に調査をせず、関与も何もない安倍総理夫妻への追及を続けたメディアは、もうジャーナリズムとは言えない。事実が何なのかを明らかにし、国民に伝えることがジャーナリズムである。
今回のジャニーズ事務所会見でのメディアの体たらくに、国民の失望はより一層広がっている。