海辺を散歩する猫
でもここは本当に猫の楽園なのか?
危機感を抱いたのが、愛媛県内で猫保護活動をしているSさんだ。島民の平均年齢は70歳を超えている。島民自身も市も、今さらこの小さな漁業の島を盛り立てて活性化しようという意欲には乏しい。近い将来、無人島になってもおかしくないというのが現状なのだ。
来訪者が猫に餌をやる場所は決まっている
いうまでもなく野生動物ではない猫たちは、島民のKさんが毎日与える餌に頼って生きている。高齢のKさんにとって体力的にも経済的にも大変な負担だ。でももしもそのうち、誰も世話ができなくなったら150匹の猫たちはどうなる? 最悪の事態だけは避けたい、と思うのがふつうの人間ではないだろうか。
まずは猫がこれ以上繁殖して増えないよう、全頭に不妊去勢手術をしなければならない。そう決心したSさんは4年かけて粘り強く島民と大洲市を説得し、県内外に協力を呼びかけた。
青島の猫。手術済みで片耳の先がカットされている