私が見た「埼玉クルド問題」 不法滞在を目論むクルド人は速やかに帰国を!|和田政宗

私が見た「埼玉クルド問題」 不法滞在を目論むクルド人は速やかに帰国を!|和田政宗

マフィア化が始まっているとも言える「埼玉クルド問題」の本質とは何か。帰国したいのに帰国できない人物と、不法滞在を目論み「政治的迫害を受けた」と自ら主張し難民申請をする人たちは全く違う。しかし、この違いを混同させようとSNSで発信している人物がいる――。(サムネイルはYouTube「産経ニュース」より)


「迫害を受けた」との嘘は許されない!

まず、私が本年の入管法改正にあたり、政府案である「準難民」の創設について進めるべきと発言したことについての批判である。この「準難民」は、正式には「補完的保護対象者」と言い、本国への帰国を望んでいるのに、戦争や紛争によって帰国できなかったり政治犯とされるなどして帰国できない人々のことを言う。

ウクライナの方々などがこれにあたる。トルコ国籍のクルド人においても、日本国内でトルコ野党のHDPを支持する活動や、日本とクルドの交流団体による熊本地震のボランティア活動に参加したところ、政治犯としてトルコの逮捕リストに載せられた事例がある。

トルコ政府とクルド人勢力の確執については後述するが、帰国したいのに帰国できない人物と、不法滞在を目論み「政治的迫害を受けた」と自ら主張し難民申請をする人たちは全く違う。しかし、この違いを混同させようとSNSで発信している人物がいる。

全く迫害を受けていないのに経済的理由で「迫害を受けた」と嘘を述べて、不法滞在し不法就労するクルド人やクルド人を称するトルコ人が増えていることが問題の本質であり、こうした人たちは速やかに帰国させるか強制送還しなくてはならない。

この管轄は出入国在留管理庁であり、私は一層の難民申請審査のスピードアップを要請しており、入管庁は取り組むと回答している。私は現状を見ればさらなる入管法改正も必要であると考える。

そして、私が日本クルド友好議員連盟の幹事長を務めていることから、「不法滞在を目論むクルド人を支援している」などと事実と全く異なる主張をSNS等で展開する人物もいる。日本クルド友好議連は、平沼赳夫先生が創設した議連であり、イラクにおけるクルディスタン地域政府との友好関係を構築していこうというものである。

クルディスタン地域政府は、イラク北西部のクルド人を中心とする地域にあり、イラクが認めている地域政府である。日本政府もクルディスタン地域政府の閣僚と随時公式に会談をしている。なお、イラクの大統領はクルド人であり、クルディスタン地域の平穏な自治が、イラク国内の安定につながるという観点からも議連は交流を行っている。

私が「PKK」と繋がっているというデマ

しかし、この議連は「クルド利権のためにある」などと主張する人物がいる。そもそも「クルド利権」とは何なのか。日本国内にそんな利権が存在することを聞いたこともない。また、クルディスタンは原油が出るが、その開発に日本政府や日本企業が関与することは地域的にも採算性でも困難である。

さらに、クルド労働者党(PKK)と関係のある人物と私が繋がっているのではないかという荒唐無稽な主張をする人物がいる。PKKは過去にトルコでテロを行っており、私がPKKと繋がって活動することなどはあり得ない。

また、「私と会ったことのある人物がPKKの旗の前で演説をしていることについて説明を」などと言っている人物がいるが、川口等のクルド人の問題において、様々なクルド人からも住民からもヒアリングをする中で会った人物であり、それ以上の何物でもない。

なお、その演説とされる写真を見ると、PKKの旗はなく、シリア国内の「民主統一党」(PYD)と「クルド人民防衛隊」(YPG)の旗が掲げられており、PKKの旗だと主張する人物は誤認しているのか、それともあえて混同させているのかは不明である。これらの勢力はシリア国内のIS(イスラム国)の掃討戦において米軍の支援を受け、米軍と共同作戦を展開した。

しかし、トルコはクルド人組織掃討が必要だとして2018年等にこれら組織に空爆や地上作戦を行い、これに対し米国や欧州各国はトルコに経済制裁を課した。このようにクルド人をめぐる問題は複雑なものであり、こうした情勢をしっかり把握したうえで対応しなくてはならない。

その上で、日本において不法滞在を目論むクルド人や、クルド人と称するトルコ人を速やかに帰国させることが重要なのである。

私は日本トルコ友好議員連盟にも加入しており、政府間の交渉や議員外交でもトルコとの友好拡大に力を尽くしてきた。川口等が抱える問題は主にトルコ国籍のクルド人やトルコ人が引き起こしており、トルコとの協力も不可欠である。私は日本国民の安全と安心のために行動していく。

私に対して何か意図でもあるのか、執拗にSNS等で絡む人物がいるが、私は結果を出していくので、結果でご判断いただきたい。

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