【読書亡羊】戦国日本にやってきた「中国人ルポライター」の正体とは!? 上田信『戦国日本を見た中国人』(講談社選書メチエ)

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


「現地へ行く必要はない」のか?

上田氏は鄭舜功の帰国に合わせて中国へ正使として派遣され、自らも拘束された日本の僧侶・清授が、鄭舜功に贈った歌を紹介したうえで、こう述べている。

〈中国と日本、その双方の事情に通じるものは、ときとして周囲から理解されず、苛烈な扱いを受けることがある〉

16世紀の人物が「実際に自分の目で見て確かめなければ、隣国の人々の考え方や思想なんてわからない」と渡航してルポをつづった一方で、この21世紀の世の中で「他国のことを学ぶのに、わざわざ現地に行く必要はない」「敵国の要人と交流を深める必要などない」とのたまう人物(しかも「有識者」)がいる。

本書は、物事の本質を見抜けるかどうかに、生まれた時代は関係ないことをも教えてくれるようだ。

梶原麻衣子 | Hanadaプラス

https://hanada-plus.jp/articles/712/

ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。

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