立民の惨状ここに極まれり! 度量の狭い「攻撃型リベラル」議員たち|坂井広志

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今に始まったことではないが、特に昨今の立憲民主党の状況は「惨状」と呼ぶにふさわしく、目を覆うばかりである。学級崩壊ならぬ政党崩壊の道を着々と歩んでいるようにしか見えず、その動きは加速すらしている。党内抗争にうつつを抜かし、国益そっちのけで先進7ヵ国首脳会議(G7広島サミット)をこき下ろす――。その姿はあまりにも醜い。


妄言続きの原口一博元総務相

このほか、原口一博元総務相はユーチューブなどを通じてこう語るのであった。

「共産、れいわ(新選組)に足向けて寝ちゃだめですよ。あなた方、当選したの誰のおかげだと。向こうが我慢してくださった。候補者降ろしたでしょ。それなのに当選して1年半で『あんた知らん』とよう言えるわ。そういうのは絶対、政権取ったって信頼されませんから」

すでに信頼されていませんから、と突っ込みたくなるのは筆者だけではあるまい。

原口氏はG7広島サミットについて「よりによって広島で、拡大核抑止ってやったんですよ。そんなの許せます?」と語ったほか、こんな驚くべき発言までしてみせた。

「ロシアとの関係だってずたぼろじゃないですか。なんでNATO(北大西洋条約機構)が日本を守ります? アメリカが変わったら、はしごを外される。はしごを外されるどころか、隣の国からは嫌われまくり、アメリカからは粛清される」

被爆地・広島にウクライナのゼレンスキー大統領を招き、ロシアのウクライナ侵略における核の威嚇、使用は許されないとの認識を「核軍縮に関する広島ビジョン」の中で共有し、力による一方的な現状変更の試みに反対する首脳声明を発表――。外交の力というものをまざまざと見せつけた、実に意義のあるサミットだったのは間違いない。平和を勝ち取るために、核抑止についてもっと議論してもいいくらいだった。

ロシアとの関係を「ずたぼろ」と語るが、重大な国際法違反を犯したロシアに対し、どう対峙しろと言うのか。さらには「隣の国からは嫌われまくり」で結構ではないか。台湾統一をにらむ国に対し媚を売る必要がどこにあろうか。

自由主義陣営の間で結束をしなければならないときに、それに水を差すようなことを日本国の国会議員が、しかも閣僚経験者が言うべきではない。そこに与党も野党もなかろう。

泉氏ももっとしっかりしてもらいたい。衆院予算委員会で「広島の被爆者の思いを具体的行動に移していかないといけない。広島ビジョンは被爆者から失望を受けてしまった。大変残念に思っている」と述べた。

核廃絶への道筋が見えなかったからといって、サミットをこき下ろすのは、あまりにも短絡的であり、核抑止の意義について積極的に語ろうとしない政党に政権を任せるわけにはいかない。これでは国民を守ることはできまい。

変わらない「ルーピー鳩山」

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旧民主の流れを汲む立民は、旧民主の時代から本質は変わっていない。ちなみに旧民主を結党し、旧民主政権で初代首相を務めた鳩山由紀夫氏の言説も相変わらずで、自らが理事長を務める東アジア共同体研究所が配信しているユーチューブ番組でこんなことを語っている。

「ゼレンスキーを呼ぶくらいならプーチンを呼んで、両方で対話させて、うまく落としどころを見いだしていけるような方向に導くことをG7としてはやったら格好いいなと思う」

ロシアの軍事侵略という重い事実を前に、喧嘩両成敗的な発想はいただけない。「落としどころ」も何も、解はロシア軍の無条件即時撤退しかない。

祖父の鳩山一郎元首相は昭和31年、旧ソ連と国交を回復した「日ソ共同宣言」に署名している。こうした血筋がロシア寄りの姿勢につながっているのだろうが、今の首相が、鳩山氏でなくてつくづくよかった、と声を大にして言いたい。

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