中国抑止の鍵は「敵基地反撃能力」|和田政宗

中国抑止の鍵は「敵基地反撃能力」|和田政宗

中国外務省の報道官は安保3文書について「中国の脅威を誇張して軍拡の言い訳とするたくらみは思いどおりにはならない」と反発。日本国内にも反対意見はあるが、我が国が「敵基地反撃能力」を持つことは、我が国のみならず、台湾、インド太平洋地域全体の平和に資する!


痛いところを突かれた中国

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そのために必要な能力として、相手の侵攻戦力を遠距離から阻止・排除するスタンド・オフ防衛能力と、米国も提唱する統合防空ミサイル防衛能力を整備する。スタンド・オフ防衛能力は「敵基地反撃能力」の主要部分であり、統合防空ミサイル防衛能力の整備は米国との連携を一層強化することとなり、日米同盟の抑止力・対処力は更に強化される。  

なかでも、「敵基地反撃能力」は我が国への侵攻を抑止する上での鍵としており、近年、我が国周辺のミサイル戦力が著しく増強されている中で、既存のミサイル防衛網の強化のみでは対応が困難になりつつあり、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力が必要とした。

私は安保3文書は、例示したように国家国民を守るためにしっかりと踏み込んだ内容になったと思っている。すぐさま、中国外務省の報道官が安保3文書について「中国への中傷に断固として反対する」「中国の脅威を誇張」と述べたように、中国にとっては痛いところを突かれているわけであり、私は3文書の通りの防衛力を整備していけば、中国の侵略を抑止できる可能性は高くなると考える。

だからこそ、この中身を実現していくとともにそのスピードを上げていかなくてはならない。我が国が「敵基地反撃能力」を持ち、中国を抑止していくことは我が国のみならず、台湾、インド太平洋地域全体の平和に資するからだ。我が国はアジアの平和を守るリーダーとして行動していく。

月刊『Hanada』2023年2月号

日本国憲法「改定」

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