中国による台湾侵略と日本侵略
今年5月、中国が侵略し支配を続けているウイグルの砂漠に自衛隊の早期警戒管制機(AWACS)の模型が作られていることが判明したが、7月半ばに衛星画像により模型が破壊されていることが明らかになった。AWACSは浜松基地に配備されており、中国は、尖閣や与那国をはじめとする南西諸島のみならず、浜松基地など日本各地の自衛隊基地を攻撃することを想定し、演習をしているのである。
このような状況において、我が国は今、何をしなくてはならないのか。私は李登輝先生のある言葉が鮮明に思い浮かぶ。それは、「平和は何よりも社会の出発点である」との言葉であり、私の政治理念の礎となっているものだ。
李登輝先生は台湾総統として、中国に台湾海峡にミサイルを撃たれようとも断固たる意志で国防を強化し、台湾を守り続けた。我々は、平和を叫べば平和は守られるという「平和ボケ」を捨て、あらゆる手段をもって国家国民を守らなくてはならない厳しい状況であることを認識すべきである。
もうこの段階に至っては、中国による台湾侵略と日本侵略は同時に行われるわけであり、日本は米国とともに軍事的に台湾を守ることに舵を切るべきである。そうでなければ、我が国は守れない。米国は台湾を軍事的に直接守ることをバイデン大統領も表明した。我が国の覚悟を米側も問うている。
先週、台湾の対日友好議員連盟である亜東国会議員友好協会の会長一行と会談した。日本と台湾の政府関係者の公式往来を可能とする「台湾旅行法」の制定の要請があったが、私は日華平和条約終了50年にあたり、台湾との関係を強化するために軍事的連携を含めた日本版「台湾関係法」を作るなど日台連携の強固な法整備を行うべきだと述べた。
日本と台湾は運命共同体であり、これまでも日台関係法制定について様々な場所で私は提起してきたが、今こそ実現に踏み切るべきである。もうこれまでの国防に対する考え方では我が国の領土も国民も守れない。ステージは変わった。米国のみならず台湾とも国防で連携し、我が国も台湾も守るために行動すべきである。それが我が国とこの地域の平和を守る抑止力となる。