政治家の発言を打ち切ったテレビ朝日の暴挙|和田政宗

政治家の発言を打ち切ったテレビ朝日の暴挙|和田政宗

NHK党の立花孝志党首の発言の多くは全く賛同できるものではないと考えているが、番組キャスターが「認める、認めない」と判断することではない。もし政治家がテーマから逸脱した発言を行ったとしたならば、その政治家や党のモラルは選挙で国民に判断されるからだ。選挙のたびに行われる、大手メディアによる世論誘導を許してはならない!


安倍晋三総理を貶めるための印象操作

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さらに衆院選期間中に出演した「NEWS23」でも事件が起きた。この日も加計学園の獣医学部新設についての質問が続いた。その中で、今治市が、職員が上京し面会した相手先の記録について黒塗りで公開したことに対し、星キャスターが安倍総理に対し、「あなたが黒塗りを取れと指示すれば黒塗り部分は開示されるではないか」という内容の発言をした。

これは国と地方の関係を全く理解していない発言で、今治市は市の情報公開条例に基づいて判断したもので、総理大臣が指示したら越権行為となるし、そもそもそんなことはできない。

この際は私が自民党広報副本部長として同行していたので、収録後すぐにプロデューサーにこの点を指摘し確認を求めたところ、「そんなこと言ってましたかね~」と不服そうに言われ、1時間待たされた挙句、「言ってました」との回答。そして、「どう処理すれば良いか」と質問された。実はこれは罠で、私が「こうして欲しい」と言えば、「自民党から訂正を指示された」と言ってまた材料にするのである。

私はメディアのこうした手法を熟知しているので、「判断は当然お任せします」と答えた。しかし、明らかな間違いなので「NEWS23」としては何もしないということはあり得ない。最終的には、星キャスターの質問の部分にテロップで補足をしたが、それを読むと星キャスターが何を質問しているのだか分からないような不細工な出来になっていた。

この他にも、NHK「ニュースウオッチ9」が衆院選の最中のニュースリポートで、沖縄県高江のヘリパッドは住宅地の「至近距離」にあるとコメントし、オスプレイを住宅地からではなくヘリパッドの近くで撮影。そしてVTR明けにキャスターは「こういう感じで頭上を飛ぶのは恐怖を感じる」とコメント。住宅地とヘリパッドは最低でも1.5km以上離れており、完全な印象操作。NHKに「至近距離の定義は?」と聞いたところ回答不能だった。

また、秋葉原などでの安倍総理の演説の際には、実は数が少ない反対派を多く見える角度で撮影したりと、さも安倍政権反対派が多いようにメディアは印象操作してきた。こうしたメディアによる世論誘導とも選挙戦においては戦わないとならないのである。

今回も様々な世論誘導をメディアは企むであろう。しっかりと注視し、そのようなことがあればすぐさま指摘し、メディアの暴走に立ち向かいたい。

著者略歴

和田政宗

https://hanada-plus.jp/articles/681

1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。現在、参議院自民党国会対策副委員長。

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