政治家の発言を打ち切ったテレビ朝日の暴挙|和田政宗

政治家の発言を打ち切ったテレビ朝日の暴挙|和田政宗

NHK党の立花孝志党首の発言の多くは全く賛同できるものではないと考えているが、番組キャスターが「認める、認めない」と判断することではない。もし政治家がテーマから逸脱した発言を行ったとしたならば、その政治家や党のモラルは選挙で国民に判断されるからだ。選挙のたびに行われる、大手メディアによる世論誘導を許してはならない!


岸田内閣の支持率が下落傾向

最近の世論調査で、岸田内閣の支持率が下落傾向となっている。特に不支持が伸びており、この状況で参院選に突入するのは自民党にとって厳しい。

共同通信社が18日、19日に行った参院選の全国電話世論調査(第一回トレンド調査)では、比例代表の投票先は、自民27.3%と、前回2019年の参院選時の28.8%を下回った。前回2019年は、選挙序盤の第2回調査で自民は31.0%に上昇したが、もし今回、第2回調査で下落するようなことがあれば、大変なことになる。

なぜこのような状況になっているのか。

全国各地でお話を聞いていると、公約において改革色が弱いとの批判や、憲法改正が主要公約の最後に記されていることについて批判の声を頂く。これらについては党内で強く推進してきた我々が参院選において強く主張し、党として実現させなくてはならない。

さらなる補正予算も必要である。GDPデフレギャップ20兆円を埋め、経済を支える財政出動をしなければ日本経済はおかしなことになる。先週、私も参加する自民党「責任ある積極財政を推進する議員連盟」で、直接の財政支出である「真水」で50兆円規模の補正予算編成を求める要望書をまとめた。今後政府に提言し、実現を目指す。

こうした中、参院選を戦う上で我々が特に気を付けなくてはならないのは、メディアによる世論誘導である。選挙の度に、公平で正確な報道が求められるはずの大手メディアは世論を誘導する動きを取ってきた。

政治的主張を封殺した「報道ステーション」

16日のテレビ朝日「報道ステーション」では、大越健介キャスターが、NHK党の立花孝志党首の発言を「その発言は認められませんので、ここで打ち切らせていただきます」と遮った。

これは、立花党首が事前にツイッターにおいて、男性タレントについて番組内で言及すると予告したことが原因とも言われているが、そうした発言が実際に行われ、誹謗中傷にあたるのであれば遮ることはあり得ると思うが、実際の「報道ステーション」での立花党首の発言はそうではなかった。

私は立花党首の発言の多くは全く賛同できるものではないと考えているが、今回の件で私は番組側がおかしいとSNSで発信したのは、今回のようなことを許してしまえば政治家の発言をメディアがコントロールできることになるからである。

もし政治家がテーマから逸脱した発言を行ったとしたならば、その政治家や党のモラルは選挙で国民に判断されるわけで、番組キャスターが「認める、認めない」と判断することではない。

番組においては参院選直前に各党党首が一堂に会しており、公平に発言の機会を与えることが、選挙報道の公平公正を考えればメディアとして当然のはずなのだが、テレビ朝日はこうした事も無視して政治家の発言を打ち切ったことは、気に食わない政治的主張を封殺する暴挙と言える。

過去においてメディアは選挙戦でどのように世論誘導を行ってきたかであるが、最近で最も有名なのは、2017年秋の衆院選における「2人でモリカケ!」事件であろう。2017年9月25日、衆院解散を発表した夜に安倍総理(当時)はTBS「NEWS23」に出演した。

その際、「NEWS23」の星浩キャスターなどから解散の是非を問われ丁寧に答えていたところ、星キャスターの肩に外れていたイヤホンから「2人でモリカケ!」と、プロデューサーだかディレクターだかが指示する声が漏れてしまったのである。安倍総理が質問に丁寧に答え、追い込めないとみての突然の指示。

その後、安倍総理も昭恵夫人も何ら関与していない森友問題、加計学園の獣医学部新設についてしつこく質問したが、まさに事実に基づかず安倍総理への悪印象を植え付けさせようとする世論誘導であった。

関連する投稿


衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

4月28日に投開票された衆院3補選は、いずれも立憲民主党公認候補が勝利した。自民党は2選挙区で候補者擁立を見送り、立憲との一騎打ちとなった島根1区でも敗れた。今回はこの3補選を分析し、自民党はどのように体勢を立て直すべきかを考えたい。(サムネイルは錦織功政氏Xより)


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

先の大戦有数の大激戦である硫黄島の戦いで、日米両軍合わせて2万9千人が亡くなった。今回の訪問で、硫黄島で戦った方々がどのような状況で、どのような思いで戦ったのかを、まざまざと知ることができた。


「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

トランプ前大統領の〝盟友〟、安倍晋三元総理大臣はもういない。「トランプ大統領復帰」で日本は、東アジアは、ウクライナは、中東は、どうなるのか?


最新の投稿


薄っぺらい記事|なべやかん遺産

薄っぺらい記事|なべやかん遺産

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「薄っぺらい記事」!


【今週のサンモニ】「報道の自由度」ランキングを使ってミスリード|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「報道の自由度」ランキングを使ってミスリード|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】あなたは本当に「ジャーナリスト」を名乗れますか?  ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール著、澤康臣訳『ジャーナリストの条件』(新潮社)

【読書亡羊】あなたは本当に「ジャーナリスト」を名乗れますか? ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール著、澤康臣訳『ジャーナリストの条件』(新潮社)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

4月28日に投開票された衆院3補選は、いずれも立憲民主党公認候補が勝利した。自民党は2選挙区で候補者擁立を見送り、立憲との一騎打ちとなった島根1区でも敗れた。今回はこの3補選を分析し、自民党はどのように体勢を立て直すべきかを考えたい。(サムネイルは錦織功政氏Xより)


【今週のサンモニ】社会を説教するが具体策は何もなし|藤原かずえ

【今週のサンモニ】社会を説教するが具体策は何もなし|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。