憲法改正がなぜ必要なのか|和田政宗

憲法改正がなぜ必要なのか|和田政宗

2022年4月、「危機に乗じて憲法9条を破壊し、日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込む動きを、日本共産党の躍進で断固として止めよう」と訴えた日本共産党の志位和夫委員長。共産党の言う「9条生かした外交で平和をつくりだす」は本当に可能なのか。日本の隣国である中国、ロシア、北朝鮮は果たして「平和を愛する諸国民」と言えるのか。


国土と国民を守れる憲法に!

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9条に関連する現行憲法の最大の問題点は、いざという時にどのように国を守るかが明記されていない点である。

こうした国は日本の他に、クック諸島、ニウエ及びモナコの3カ国しかないことはこれまでも述べてきた。いずれも国土は小さく、人口も4万人以下の国である。一定の国土と人口規模を持つ国で、憲法にいざという時に国を守る手段が記されていないのは日本だけである。

他国の領土を侵略しようとしたり攻撃しようとしている国からすれば、反撃できるかどうかすらわからない憲法を持つ国は、攻撃するのにどれだけ楽か。現行憲法は、国土と国民を本当に守れるものとはなっていない。

そこで憲法改正が必要になるわけだが、現下の国際情勢では改正は待ったなしの状況であることは皆様も実感していると思う。自民党は参院選の最重点公約として国民に問い、参院選後に改正条文案を国会に提出すべきである。

国会法においては、1人の提出者に対し、衆議院で100人以上の賛成または参議院で50人以上の賛成があれば、改正原案を国会に提出できる。憲法審査会で一定の合意を得ないと改正原案は提出できないと思っている方がいるが、実はそれより先に国会法に記されているのはこの方法なのである。

であるから、それだけの議員数がいる自民党が憲法改正に向け覚悟を持って行動しないとならないのである。現行憲法の成り立ちからしても、国民投票が一度も行われていないということは、国民不在のまま憲法を放置しているといっても過言ではない。

国民から選ばれた国会議員の責任として、憲法改正を速やかに発議し国民投票を行うべきである。どんな時も、国土と国民を守れる憲法にしなくてはならない。

月刊『Hanada』2022年6月号

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