「中国の真実と向き合うときが来た」
原著は2021年8月にフランスで出版されており、それゆえに2020年からのコロナ禍における中国の振る舞いにも言及している。このコロナ禍こそ、それまでは「目に見えぬ」形で行われていた中国の工作を、「あからさまに目に見える」形に変えさせた大きな一因だろう。
コロナ禍でその牙を隠そうともしなくなった中国の攻撃的姿勢は、「戦狼外交」と呼ばれる外交官や広報官たちの言動が何よりも物語っている。さすがに2021年6月には習近平が「信頼され、愛され、尊敬される中国のイメージを築くよう要請した」とされるが、これに対してドニはこう皮肉っている。
2012年に習近平が最高権力の座に就いて以来、中国とその「戦狼」たちは、地球上の多くの国と仲違いをする、という見事な(注:原文は傍点)パフォーマンスを見せた。
そして、多くの中国研究者やジャーナリストにこう呼びかけるのだ。