河井あんりさんが睡眠薬を飲んで、救急車で運ばれたと聞いて暗澹たる気持ちになった。あんりさんとは昨日午前中に電話で話をしたばかりだった。
26日発売の『Hanada』3月号に河井克行さんの獄中手記が載ることをとても喜んでいた。あの事件の検察捜査、裁判は異常だ。手記ではそのことをくわしく書いている。
あんりさんは同時に2月初めに、文藝春秋から出る、常井健一さんの『おもちゃ 河井案里との対話』という本のことを憤慨していた。ネットに予告が出て、初めて知ったという。
あんりさんは警戒心のない人だから、事件の初期に常井さんに話をしたことはあった。しかしこういう形で本にするのなら、事前に本人に相談するのが筋だろう。
それにタイトル、装丁がひどい。ぼくなら絶対につけない。文藝春秋の担当編集者は、これでいいと思ったのだろうか。
あんりさんは明日(つまり今日)、弁護士に相談に行くと言っていた。ぼくにも一緒に行ってほしいと言っていたのだが、前約があり、後で電話をくれることになっていた。
こんなことなら一緒に行けばよかった。
あんりさんが1日も早く、元気になることを祈っている。
河井克行さんの獄中手記「闇に葬られた『買収事件』の真実」を是非お読み頂きたい。https://amzn.to/3KtrBFf
著者略歴
月刊『Hanada』編集長。1942年、東京生まれ。66年、文藝春秋入社。88年、『週刊文春』編集長に就任。部数を51万部から76万部に伸ばして総合週刊誌のトップに。94年、『マルコポーロ』編集長に就任。低迷していた同誌部数を5倍に伸ばしたが、95年、記事が問題となり辞任、1年後に退社。以後『uno!』『メンズウォーカー』『編集会議』『WiLL』などの編集長を歴任。2016年4月より現職。