【読書亡羊】米議会襲撃事件の裏と日米の政治家の差 ボブ・ウッドワード、ロバート・コスタ『PERIL 危機』(日本経済新聞出版社)

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする週末書評!


取り立てて意外性もないし、政治的決断にも無関係だ。

何より、一方が「オフレコ破り」であるのに対し、一方は情報源を明かさないながら、関係者が見ればネタ元が分かってしまいそうなディープな情報を、公開前提で提供してくれる関係者が200人以上もいたという点に違いがある。

保身に満ちた議員たちの惨状

ただ、それも仕方がないのかもしれない。

『PERIL』では、トランプ大統領の精神状態が危ぶまれ、議会突入事件で文字通り議員と国民の生命が危険にさらされる中、米国の議員や軍人たちが何とか冷静であろうとし、「最悪の事態」を避けるべく奮闘していた様が詳述される。

一方、『孤独の宰相』に描かれているように自民党議員たちは、「菅総理では次の衆院選を戦えない」との情報が入るや否や、党内から「菅下ろし」を実行している。自らの議席の危機を前に、一年前に自らが選んだ総裁を引きずり下ろしたことになる。囲み会見で泣いて見せた閣僚もいるなど、ほとんどパニック状態だったようだ。

こうした自民党議員に取材を試みたところで、保身に満ちた言説しか出てこないに違いない。

梶原麻衣子 | Hanadaプラス

https://hanada-plus.jp/articles/712/

ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。

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