20年前のデタラメな「ムネオバッシング」
テレビ朝日のオリンピック番組関係社員、スタッフ10人が8日夜から9日にかけて飲酒を伴う宴会を開き、その内の1人は転落して緊急搬送されたとニュースになっている。転落したということは相当飲んでいたからだろう。
国会議員の飲酒についても厳しく批判していたテレビ朝日である。また、オリンピック開催に慎重な姿勢のテレビ朝日であった。
身内が起こした不祥事に対し、会社としてどんなケジメを付けるのだろうか。
11日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で玉川徹氏が「あってはならないことだ」と話し「お詫び申し上げたい」と述べていたが、何とも軽い話である。この玉川氏がテレビ朝日の責任者ではない。さもさものように言っている姿を見て腹が立った。
それは20年前「ムネオバッシング」が始まった時、この玉川なにがしは、北海道では「ムネオ旗」を漁船が立てていると、密漁しても領海侵犯しても捕まらない。その旗は500万円で手に入るとデタラメな、ありもしない、いい加減な話を裏付けも取らずにリポーターとして流していた。
「そんな悪い奴は捕まえてしまえ」と世論はなびいてしまい、私は大変な目に遭った。あの時の映像を忘れることはない。だからこそ、さもさものように話す玉川氏に憤りを感じた。
勿論、飲酒をした者が責任を取るのが当たり前だが、組織としての責任も当然問われる。
「他人(ひと)の批判をするときは大きく、身内の不祥事は小さくという姿勢で、何が公平、公正か。日頃から真実、真相を伝えるのが報道の使命と言っている会社が、チャンチャラおかしい」と言った声が何件も届いた。
私もそう感じながら、正直者がバカを見る社会にしてはいけないと改めて思った次第だ。
(2021年8月11日「ムネオ日記」)
1948年、北海道足寄町生まれ。新党大地代表。拓殖大学在学中から故中川一郎氏の秘書を務める。83年、衆議院議員に初当選。第2次橋本内閣で国務大臣 北海道・沖縄開発庁長官、小渕内閣で内閣官房副長官を務める。2002年6月、あっせん収賄容疑で逮捕。05年8月、新党大地を結成。09年9月、衆議院外務委員長に就任。10年9月、実刑判決が確定し、12月に収監。11年12月、仮釈放される。17年4月、公民権が回復し、19年7月の参院選で当選。