我が「NHK改革」具体案|高市早苗

我が「NHK改革」具体案|高市早苗

高止まりする受信料や営業経費、肥大化する放送波、子会社等との「随意契約率」93・5%という驚くべき実態、国民に還元されない多額の繰越剰余金――「伏魔殿」と称されるNHKを国民の手に取り戻すために、高市早苗前総務大臣が掲げたNHK改革の具体案!


肥大化する子会社や関連会社、グループ経営改革を

第五に、NHKの「肥大化」として批判されている子会社や関連会社を含めた「グループ経営改革」が不十分だということだ。  

私が大臣在任中に、歴代NHK会長に対して改善を求めてきたことは、「適切な業務範囲の見直しをすること」「子会社における適正な経営及びコンプライアンスの確保」「NHK本体と子会社・関連会社との取引における透明性と適正性の確保」 「NHKは子会社に多額の出資をしているのだから、子会社の利益剰余金のNHK本体への適正な還元を実施すること」の4点だった。  

現在、NHKの「子会社」は11社、「関連会社」は4社、「関連公益法人等」は9団体ある。  

下の資料の表をご覧いただきたい。  


全体的に、従業員に占める役員の比率が高い。「子会社」のNHKプロモーションでは、従業員58名に対し、役員が11名だ。「関連会社」4社の役員比率も驚くべき高さだ。  

そのようなこと以上に、私が問題視しているのは、NHKは子会社等との「随意契約率」が高いということだ。令和元年度は93・5%だった。近年、90%超で推移している。より安価に外注できる業務も多くあるはずだ。  

NHKグループ全体の人員数は、令和2年度で1万343名だ。子会社や関連会社の業務内容を一覧すると、「NHK本体では一体何の業務をしているのか」と不思議になるくらい、多様な業務が展開されている。業務の「分割ロス」に繋がりかねない細分化された子会社・関連会社の構成についても、大胆な改革が不可欠だと思う。  

これまでにも、子会社数を減らすために合併した例はあった。資料の表に太枠で囲んだ2社である。  
平成31年4月1日には「NHKアイテック」と「NHKメディアテクノロジー」が合併し、現在の「NHKテクノロジーズ」になった。令和2年4月1日には「NHKエンタープライズ」と「NHKプラネット」が合併して、現在の「NHKエンタープライズ」になった。  

前田会長によると、過去の子会社合併では、給与が高いほうの会社に合わせて合併後の会社の従業員の給与が高止まりするなど、単純に子会社同士を合併するといういままでの手法では、時間とコストがかかる割に統合効果が発揮されていなかったということだった。  

前田会長から私に対しては、「中間持株会社の設置」という提案がなされた。  

NHKの業務と密接に関連する業務を担う子会社を中間持株会社の傘下に入れ、グループのグリップ力を強め、機動的にリソースを配置できるようにするほうが業務の合理化を加速できるということだった。  

これは私には考え付かなかったアイデアで、大いに感心した。『放送法』の改正が必要になるが、長年かけても進まなかった「グループ経営改革」が実現する可能性が高い。  

武田良太総務大臣や秋本芳徳情報流通行政局長(当時)には、前田会長の心意気を受け止めて、「グループ経営改革」に資する『放送法』の改正をぜひ実現していただきたい。

受信料制度の抜本的改革

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