東京五輪の開催が1カ月半後に迫り、「命と五輪とどちらが大事か」という二者択一の議論が国会やマスコミをにぎわしているが、五輪の感染対策を万全にすることで、命と五輪を両立させるという三つ目の選択肢があることを指摘したい。なぜ、国会で「あらゆる感染対策をして五輪を成功させよう」という議論がされないのであろうか。国基研の櫻井よしこ理事長が本欄第798回で書いているように「五輪開催は私たちが忘れていた日本人の真の力を取り戻すきっかけとなる」し、五輪には経済効果もある。
活用すべき次亜塩素酸水や光触媒
5月12日、衆議院第一議員会館大会議室において「感染対策を資材と方法から考える超党派議員連盟」の設立総会が約50人の国会議員の参加で開かれ、筆者も出席した。会長に就任した片山さつき元地方創生担当相は「いま感染対策に何らかの思いを持たなければ国会議員ではない。感染対策に有効性があるものを活用、改善するプロセスなくして、この難局と戦うことはできない」と挨拶した。
昨年12月21日付の本欄第749回で紹介したとおり、次亜塩素酸水や紫外線、光触媒などウイルスを効果的に殺菌できる理学と工学の手法を総動員すべきである。五輪後も、デパート、レストラン、映画館、病院、介護施設、保育園、幼稚園、小中高の学校、大学、企業のオフィス、家庭など、あらゆる場所で利用できる。それによって医療機関の過度の負担が大幅に軽減され、あらゆる分野で我が国の経済力の復活につながる。
ワクチン接種が進んだ欧米諸国は、新規感染者の発生が激減し、日常を取り戻しつつある。しかし、国立研究開発法人「国立循環器病研究センター」の健康サポートセンターは「定期的(多分6か月ごと)に流行中の変異新型コロナウイルスに有効なワクチンを接種する必要」を示唆しており、ワクチンはゲームチェンジャーだが万能ではないことを示している。