慰安婦問題が誰かの「人生」と「運命」だとすれば、そこに見事に当てはまる人物がいる。その人こそ、この本の著者である西岡力モラロジー研究所及び麗澤大学教授である。
西岡教授は、日本の代表的な韓半島地域の専門家の一人で、1980年代から主に北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け尽力、この問題を取材し続けてきた。しかし彼は偶然にも1991年に慰安婦として最初の証言者である金学順氏の証言の真実性を調査しながら、金氏の証言の嘘を暴いた時から現在まで、継続的に慰安婦問題の虚偽と闘ってきた。
『韓国政府とマスコミが言わない慰安婦問題の真実』韓国語版(原題:『よくわかる慰安婦問題)』)は慰安婦問題を巡る、西岡教授の30年にわたる真実の闘争記だ。
『よくわかる慰安婦問題』を韓国語訳した『韓国政府とマスコミが言わない慰安婦問題の真実』(右)
反日左派言論と朝日新聞が捏造した慰安婦問題
日本には戦前から公娼制度があった。太平洋戦争当時の慰安婦も、それが戦場に移ったに過ぎなかった。公娼制度下の売春婦と同様、慰安婦も実は日本列島と朝鮮半島に散在していた、貧困のくびきの犠牲となった女性たちだったのだ。
しかし、1990年代初頭から朝日新聞を筆頭に、日本国内の一部の反日勢力が「20世紀初め太平洋戦争の時期、日本軍が国家総動員法に基づく挺身隊の名目で、奴隷狩りのように朝鮮人女性を連行して慰安婦にした」という大嘘を大々的にばらまき始めた。
朝日新聞はまず、慰安婦を奴隷狩りしたと主張した吉田清治に対する好意的な記事を掲載、彼が信頼に足る人物であるかのように保証した。次に先述した金学順氏の記事を掲載。彼女が妓生出身だったという事実を隠し、むしろ「女性挺身隊の名で」戦場に連行されたという虚偽を付け加えるという捏造を犯した。
これに加え、朝日新聞は「慰安所 軍関与示す資料」という見出しを掲げて日本軍が慰安婦連行に「関与」した史料(『陸支密大日記)』)を発見したという一面トップ記事まで掲載した。この史料の内容は、不法な慰安婦募集を警戒するものであったが、朝日新聞はこれを正確に報じなかった。