政府を相手取って訴訟を起こす
末永 政権交代時にインタビューさせていただいた際、「アンワル以外で国の指導者になれるあなたの後継者は誰か」と聞きました。あなたは「アズミン氏か、息子さんの三男のムクリズ氏」と言われました。今でもアズミン氏が理想の後継者と思われますか。
マハティール 残念ながら、造反という過ちを犯したので、将来の指導者、後継者としては失格です。
末永 では、誰が理想の後継者、指導者になりえますか。
マハティール それは、国会の過半数の議員の信任で決定します。どなたになろうと、私は賛成します。
末永 あなたは、8月に新党「プジュアン」を立ち上げましたが、いまだに政府の正式な政党承認登録が許可されていません。2016年2月に与党政権に対抗し、統一マレー国民組織を去られ、同年8月にマレーシア統一プリブミ党を立ち上げたときも、政府が承認を拒みました。どう対処されますか。
マハティール 政府は、政治力を悪用し、政府に盾突く政党の承認を行わないよう動いています。こういうことは、あってはならないことです。私の党には何も問題はありません。今後、政府を相手取って、訴訟を起こす予定です。政府に反対する野党勢力が削がれないよう、政府の方針を正していかなければなりません。
※補足
筆者による新党「プジュアン」の政府承認登録に関する質問の2日後の12月10日、マハティールの政党「プジュアン」は政府(マレーシアの政党登録局=RoS)を相手取って、同党に対する登録遅延は憲法違反で、早期承認を求める訴えを高裁に起こした。
※この他、マハティール前首相が、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパといった国際情勢をはじめ、欧米メディアの異常、自身の再々登板への想いまで赤裸々に語った完全独占インタビューの続きは月刊『Hanada』2021年2月号に掲載↓