通常国会は6月17日に閉幕するが、野党・立憲民主党などは会期の延長を求めている。これに対して、自民党は必要があれば閉会中審査で対応するという。であれば、懸案の国民投票法改正案をはじめ、一向に審議が進まない憲法審査会も、閉会中審査を行うべきだ。
開催を拒み続ける主要野党
自民党、公明党、日本維新の会は本年度予算成立後、速やかに審査会を開くよう求めたが、立憲民主党や国民民主党などは新型コロナウイルス対策を理由に審査会の開催を拒んできた。他の常任委員会では通常の審議が行われていたのだから、これは全く理由にならない。それにコロナ対策というなら、緊急事態法制の検討など憲法審査会にふさわしいテーマがあったはずだ。
結局、野党の反対で、今国会において憲法審査会が開かれたのは衆議院のわずか1回であった。
憲法の調査研究を目的としたかつての憲法調査会と異なり、憲法審査会は憲法改正原案の作成や国民投票法の審査が主要任務である。つまり、単なる調査機関ではなく決定機関である。そのため、多数決制が採用された。
にもかかわらず、審査会の運営については従来の慣行どおり「与野党の合意」が必要とされたことから、野党が反対すれば開催さえおぼつかないという異常事態が続いてきた。野党は憲法調査会以来の「政局を持ち込まない」との慣行を破り続け、理由にならない理由を挙げて開催をボイコットしてきた。
そのために、改正済みの公職選挙法に合わせて投票所の設置場所を増やしたりするための国民投票法改正案は、共産党を除く与野党間で実質的に合意ができているにもかかわらず、2年間も棚ざらしにされたままである。
このサボタージュを続ける審査会のために、衆議院では毎年約2億円、参議院でも約1.6億円の国民の血税が支出されている。これこそ無駄遣いの極みであり、国民はもっと怒るべきだ。