寺島実郎氏:まず、一点ですが、検証しなければいけないのは、3.11の後の東北復興に向けて、例えば我々自身、ここに座っている、所得税を払っている人は、税額の2.1%を25年間、復興特別税というのを払い続けている。これは入りの方の議論。しかもコロナを含めて、一体誰にどういう形で金を使ったんだと、だから財政がこれほどまで重くなっているんだということについて、国民に納得のする検証をしたデータが出ているのか、非常に気になる。
寺島氏が指摘するように、日本国民は、東日本大震災の復興支援金として、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税(現在5000億円弱/年)を2037年まで支払うことになっています。
また、コロナ対策の歳出増は合計で100兆円規模となりました。特に2020年度(令和2年度)のコロナ予算は単年度で約77兆円であり、国民一人当たりなんと61万円も支出したことになります。
当時、『サンデーモーニング』をはじめとするテレビは、視聴率欲しさに全力で大衆の恐怖を煽り、政府は長期間にわたる緊急事態宣言を発令するに至りました。その結果、コロナ予算は大きく膨らむことになったのです。この責任はテレビにあります。
それが証拠に、テレビがコロナ報道をやめると、感染者数および感染死者数が以前より増加したにもかかわらず、国民は普通の生活に戻ったのです。ひどい話です。
寺島実郎氏:もう一つは、政治の身を切る改革、要するに政治にコストをかけないためにどれだけ努力しているか。(寺島氏が)再三発言してきている国会議員の数の削減だとか、そういう類の政治の身を切る改革の議論を放っておいて、いつの間にか、バナナの叩き売りみたいに、年収の壁だろうが、教育無償化だろうが、何でも国が面倒を見てくれればいいと、税金を払わない国にした方がいいという方向に議論が行っちゃっている。
寺島氏は、国会議員数を減らす案について、もう10年以上強く提案し続けています(笑)。確かに、政策的価値が認められない素人政党に血税を支払うのは極めて残念なことです。
ただし、国会議員数を減らして政策作成に支障を来たすことは回避しなければなりません。この情報化時代、国家戦略の基盤となる政策はますます重要な存在となるからです。国会議員数を減らす場合には、逆に高い専門性を有する政策スタッフを充実させることが重要であると考えます。