膳場貴子氏:この夏の異常な猛暑は、いまだ様々な影響を及ぼしています。国連が定めた『SDGs=持続可能な開発目標』でもうたわれた、『気候変動への具体的対策』、それがいま、益々切実に求められています。(中略)
10月29日、東北電力は宮城県にある女川原子力発電所2号機の原子炉を起動。東日本大震災の発生後、被災地での原発再稼働は初めてのことです。岸田政権(当時)が原発回帰に舵を切って以降、温室効果ガス削減を掲げ、原発増設さえ視野に入れた日本のエネルギー政策。
その一方で、日本は化石燃料関連への補助金額がG7の中でも特に高く、2022年で総額3100億ドルと、GDPの6%近くに達しています。こうした状況について、江守さんは...
江守正多教授:再生可能エネルギーの主力電源化ということは、(国内で)温度差があるように見える。電気代やガソリン代が上がって困る人たちには手当が必要だとは思うが、気候変動対策には少なくとも逆行している。
同じお金をもっと、化石燃料をベースにしたエネルギーとか産業から、エネルギーの消費を減らす方に、制度改革とか支援が本気で議論される必要がある。
膳場貴子氏:一貫した姿勢を見せられない日本のエネルギー政策。もはや四季すら危うくなった日本の未来は、どこへ向かうのでしょうか。
これまで、何度も指摘したように、莫大な金額の投資が繰り返し必要となる蓄電施設を完備しない限り、変動性再生可能エネルギーである太陽光発電・風力発電の出力調整には、LNG火力や石油火力を待機させる必要があるため、化石エネルギーを減らすことはできません。
また、原発という出力が安定した電源と比較して、変動性再エネという不安定な電源の出力調整には、より多くの火力発電を待機させる必要があります。加えて、火力発電、特に石油火力は変動性再エネの発電によって平常時の稼働率が低くなるため、待機させるコストも高くなります。さらに、太陽光発電は日本の森林を大規模に破壊し、風力発電は生態系を破壊します。
つまり、太陽光発電・風力発電は、環境を破壊する高価な電源なのです。その点、安定したクリーンなエネルギーで接続費用も必要のない原発は、環境に優しく廉価な電源です。その意味で、変動性再エネ推進の反原発番組『サンデーモーニング』こそ、地球温暖化を推進するトップランナーなのです。
【今週のサンモニ】『サンモニ』は地球温暖化に貢献するトップランナー|藤原かずえ | Hanadaプラス
https://hanada-plus.jp/articles/1563『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。
本末転倒のCO2カルト
電力の仕組みを理解していないコメンテーターによるスタジオトークもハチャメチャです。