「ダイヤモンド・プリンセス」の感染で一変
この許容可能なリスクに対して、『サンデーモーニング』をはじめとするテレビのワイドショーは、国民の恐怖を徹底的に煽ることで実質的に自粛を強制しました。その結果、死者数がかなり少なかったにも拘らず、第1波において国民経済は大きな打撃を受け、政府は生活保障のために特別定額給付金を支給せざるを得なくなったのです。
この機会を利用して、当時の『サンデーモーニング』がどんな悪質な報道をしていたのか、振り返ってみたいと思います。
2020/01/19
元村有希子氏:正しく怖がるべきだ。いまのところ今回の新型肺炎、母数はわからないが2人しか死んでない。死亡率としてはかなり低いので、そこまで心配する必要はない。
2020/01/26
松原耕二氏:SARSの場合も封じ込めるまでに半年かかった。とすると、ないとは思うが、今から半年と言うと、東京五輪を考えてしまう。そこまでに封じ込める必要がある。
2020/02/02
鎌田實氏:簡易式のPCR検査をこの2か月くらいで出来るようになれば、インフルエンザと同じようにコロナウイルスもやれるようになると、随分防御する力になる。
元村有希子氏:冷静に病像を捉えて適用することがとても大切でWHOが情報の中心にならなければいけない。これから日本で患者が増えてきた場合のことをこれから考え始めた方がいい。
『サンデーモーニング』の当初のコロナ報道は、特段恐怖を煽るような報道ではありませんでした。コメンテーターの発言にも切迫した危機意識は感じられません。
しかしながらクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染事例が政府批判に利用できることを認識すると、状況は一変します。
2020/02/09
関口宏氏:(クルーズ船の乗客)全員を調べてあげたらいいのに一部の方ばかりですよね。
中島一敏氏(専門家):検査は会社に発注してできるものではない。国立感染症研究所など公的な機関で遺伝子検査をする。それには数も限られているし、精度管理の問題もあるので、無尽蔵にできる状況ではない。優先順位を付けなければならない。
2020/02/16
アナウンサー:浮かび上がってきたのは後手に回った政府の対応です。1月18日には「人から人」への感染が広がっていた状況。しかし政府が水際対策を強化する方針を明らかにしたのは宴会から3日後の21日、湖北省からの入国拒否を決めたのはさらに10日後の31日だったのです。
青木理氏:大切なのは検査体制それから医療体制の構築だが、クルーズ船のたかが3千人を全員検査できてなく後手後手に回っているような状況で、本当は万単位の検査体制が必要だと思うが、それもできていない。日本でも一強政権とか官邸主導のせいかわからないが、後手後手で対策本部の設置もかなり遅れている。