ジャーナリズムではなく悪質なプロパガンダ
高橋純子氏:じゃあ本気で処分するなら、選挙で非公認にしたところに対抗馬を立てるのかと。そこまでしなければ、本来処分をした、党員資格を停止した、選挙でも非公認にしたという処分の実質的な意味はなくなる。党員資格を停止したって、半年して一年経ったら復党するということも十分可能なので、そこまで本気でやるつもりがあるのか。
高橋氏の主張はテレビ番組が公人を罰する私刑に相当します。
公人を政治的に罰する権利があるのは有権者であって、テレビ番組ではありません。「対抗馬を立てなければ処分の実質的な意味はなくなる」という判断基準は、高橋氏個人のものであり、公共の電波を利用して自民党に強要することは放送の私物化です。
有権者は、それぞれ異なる価値基準を持っており、党員資格停止を妥当と考える人もいれば、非公認を妥当と考える人もいるはずです。政策が一致する政治家に対して、懲罰目的で無理やり別の候補者を立てるのは、有権者の意志の反映という観点からは必ずしも合理的な判断とは言えません。有権者が自民党の処分に不服であれば、投票行動で示せばよいのです。
有権者の判断基準を統制する放送は、ジャーナリズムではなく、悪質なプロパガンダです。
高橋純子氏:岸田氏はできるはずがないと思うが、じゃあ解散となったときに、問われているのは、私たち主権者国民だ。こんな処分で、あれだけの裏金を作っておいて、こんなことで私たちが納得できるのか。解散を受けて立つくらいの気持ちで主権者国民が問われていると強く言いたい。
この発言は、心理学でいう【感情的恐喝 emotional blackmail】と呼ばれるものであり、相手に不合理な罪悪感を持たせて無制限に不相応な行動を強要するものです。公共の電波を使った国民操作は、プーチンや習近平がやっている大衆操作と変わりません。