参拝に問題はない
それでも何とか「違憲」「政教一致」に持ち込みたい論者は、参拝に公用車が使われた、計画書があった、集団で参拝している等の事実から、私的な参拝ではなく、自衛隊の組織ぐるみの、したがって国家行為としての参拝だったと強弁しようとしている。
公用車は主に幹部の自宅と勤務場所を往復する通勤のために使われている。私用と公務を結ぶ手段ともいえる。勤務後に複数の飲食店をハシゴするような利用は禁じられるが、自宅以外の私用の場所に行くことは許容される。こうした公用車の運用は、防衛省以外の省庁や自治体でも同様だろう。つまり、防衛省と靖国神社の往復に公用車が使われたとしても、参拝が「公務」だとはいえないのである。
計画書の存在も、ただちに私的参拝を否定するものではない。22人という人数が短い休憩時間内に参拝をすまし、業務に復帰するには、私用であっても事前に行動計画を立てることは必要だったのだろう。その際、普段業務で使用している計画書のフォーマットを私的な計画に利用してしまったということだ。その是非は私的か公的かという問題とは別だ。
上官の命令に基づく部隊参拝であるならば、国家行為として「政教一致」にもなりかねないが、陸幕副長らの参拝では、41人に参拝の案内を出し、そのうち実際に参加したのはほぼ半数の22人であったことからも、命令ではなく、断ることも可能な、各人の自由意志による参拝だったといえるだろう。海自の実習幹部らの参拝も、上官が命令した事実は見当たらない。むしろ神社の近くに行けば「お参りしよう」と思うのは自然のことではないだろうか。なんら参拝そのものに問題はないのである。
靖国参拝計画は事前に赤旗、毎日新聞の記者にリークされていた
赤旗1月10日