関口宏氏も虚を突かれ
2024年1月21日の『サンデーモーニング』のトップニュースは、自民党派閥の裏金問題でした。
この問題は『サンデーモーニング』にとって、最大のスケープゴートである政府自民党を非難するには最高のネタでしたが、検察の捜査が事実上終了してしまったと同時に、自民党3派閥があっさりと解散宣言してしまったために、ツッコミどころが大幅に少なくなり、関口宏氏は虚を突かれたような反応を示していました。
関口宏氏:まず最初の話題なのですが、こんなものなのかなぁという気がします。
アナウンサー:自民党の裏金事件に動きがありました。金曜日、安倍派・二階派・岸田派の会計責任者らが立件され、3つの派閥は解散に追い込まれたのです。
関口宏氏:あんな大騒ぎしてこういう幕の閉め方なのか、みたいな、何か物足りなさを感じちゃうのは何なんでしょうか。
自民党の最大派閥・安倍派が解散を決定 裏金事件で3議員の立件など受け | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/952287自民党の最大派閥・安倍派は今夜、臨時総会を開き、裏金事件で3人の議員が立件されたことなどを受け、派閥の解散を決めました。安倍派 塩谷 立 座長「清和研(安倍派)を解消するということを決定をさせていた…
関口氏は「物足りなさ」を感じた理由を述べていませんが、素直に考えれば二つの理由が推察されます。
一つは、自民党の大物政治家がもっと多くもっと重い罪で逮捕されるという期待が叶わなかったこと、もう一つは、自民党が権力を使って検察の捜査を妨害するどころか、逆にあっさりと過失を認めて、派閥を勝手に解散してしまったことです。
『サンデーモーニング』にして見れば、番組の熱狂的な信者が期待している陰謀論や人格攻撃を何週にもわたって展開する余地がキレイさっぱりなくなってしまったのです。まさに『サンデーモーニング』にとって、今回の結末は最悪のシナリオであったものと邪推します(笑)。
自民党の3派閥が行ったことは明確な違法行為です。ただし、有力な政治家側からの働きかけがあったことは挙証されませんでした。刑事事件は100%挙証しない限り、立件できません。この状況下において、政治家は「働きかけがなかったこと」の挙証責任を免れることができます。悪魔の証明になるからです。
しかしながら、国民の代表である以上、国民に対して「不正に気が付かなかったこと」の説明責任が求められます。ここで説明責任とは、国民が納得できる傍証を呈示することです。『サンデーモーニング』もそのくらい追求しなくちゃダメです(笑)。