すべての責任を日本政府に課す無責任社会
そして最後は、寺島氏によるオキマリの日本に対する説教です。
寺島実郎氏:日本は民主主義陣営に立っている国と言えるのか。日本の民主主義の実像は与えられた民主主義の中を生きているために本当の意味で民主主義を鍛えていこうという意思があるのか。日本の民主主義というのが置かれている状況を世界で議論していると、日本くらい権威主義的な国はないというのが日本に対する見方だ。権威に弱い。国家に対する依存、国家に対する甘えも含めて、日本で本当に民主主義を成熟させる覚悟と決意があって民主主義陣営に立っているのか。
日本の治者である日本政府は、被治者である国民の意思によって正当に選ばれた代表であり、治者と被治者の同一性が確保されています。日本が民主主義国家であるという事実は疑いようもありません。
しかしながら、日本には、被治者である国民を大衆操作することで、国民が選んだ治者である日本政府を憎ませ、日本社会に自らの価値観を押し付けようとする権威主義勢力が存在します。
それは、日頃から日本国民に対して、狡猾な情報操作・印象操作・認知操作を行っている一部の政治家・マスメディア・活動家であり、その象徴的存在が朝日新聞と『サンデーモーニング』です。彼らは自分と異なる価値観を持つ人物を悪魔化し、自分と同じ価値観を持つ人物を偶像化するという偏向報道の使い手であり、国民に強力な同調圧力を加えてきました。
このような【モラリズム moralism】の強要により、すべての責任を日本政府に課してしまう無責任社会が形成されました。
その典型的な例がコロナ禍の日本社会です。テレビのワイドショーに不安を煽られた国民が、パンデミックの全責任を政府に負わせて、空想のゼロコロナ社会を実現すべく、自分たちの自由を束縛する緊急事態宣言を発令するよう政府に要求するという空前絶後の病的な全体主義社会を形成したのです。
私たちは不必要に百兆円を超える血税を失いました。こんな理不尽な世界を二度と作らせないためにも、私たちは政府を監視すると同時にメディアも監視する必要があるのです。