空想的平和主義のコミュニティからの非難
セキュリティ対策とセーフティ対策を否定する空想的平和主義は、セキュリティ対策とセーフティ対策によって平和を実現しようとする現実的平和主義とは対極の関係にあります。
最近では、空想的平和主義のコミュニティでは、岸田政権が改定した安保三文書における【反撃能力】を徹底的に非難しています。
日弁連の反対ビラ
『通関生活』ウェブサイトより
これらの議論のほとんどは、論点の本質である国民の生命の【リスク管理 risk management】および【危機管理 crisis management】の議論を避けて【人格攻撃 ad hominem】に終始していることがわかります。
空想的平和主義のコミュニティの最大の誤謬は、「攻撃する戦力」を禁止する憲法9条を根拠に、戦争抑止力となって国民の生存権を守る「反撃する戦力」を持つことを非難していることです。
ちなみに侵略国の軍事インフラを攻撃する反撃は、主権国家に対して国際法が認めている【自衛権 right of self-defense】の行使であり、1956年の鳩山一郎首相の答弁以来、歴代内閣も合憲という見解を示してきました。
戦争が発生した段階での国民の生命のセーフティ対策として反撃能力は欠かせません。残念ながら、反撃能力を行使しても移動式発射台によるミサイル攻撃を防ぐことは困難ですが、ミサイル飛来の確率を減らすことには有効であると考えられています。ミサイル飛来の確率が減ればその分だけ、国民の命が救われるのです。
ただし、日本が仮に最小限の反撃能力を持ったところで、侵略国から不均衡な被害を受けることになるのは避けられないはずです。侵略国は必ずしも最小限の攻撃を行うわけではないからです。