テレビ局とジャニーズ事務所の関係に置き換えてみると……
そもそも、安倍総理も与党自民党も、神社本庁や創価学会など多数の宗教団体と関係を持っていて、統一教会を宗教団体として特別視してきたわけではありません。一宗教団体である統一教会から会合に招待されれば、他の宗教団体に接するのと同様、国民政党として政策を説明して投票を呼び掛ける機会にしてきたわけです。
政治家の宗教団体の会合への出席をもって「お墨付き」を与えたとするのは、安倍総理を殺害したテロリストと同様、あまりにも短絡的で乱暴な考え方です。
また自民党は、少なくとも、情報番組やワイドショーなどのテレビ側の要求に応じて、教団との接点を具体的に調査して公表することで説明責任を果たしています。政治活動において、教団と接点を持つことは違法行為ではありません。
もし自民党が統一教会に対して政治的便宜(法律や政令)を与えたというのであれば、その立証責任はテレビ側にあります。
さて、ここで注目したいのは、先に示した安田氏のコメントは、面白いように、テレビ局とジャニーズ事務所の関係に置き換えることができます。
テレビ局とジャニーズ事務所の結びつきに対する検証は非常に中途半端で、歴代テレビ局経営者に関してもそうであるし、テレビ局としても外部調査ではなく、検証可能性のない内部調査で終わらせようとしていった。誰も退任せず、説明責任から逃げ回っただけで、最終的にはジャニーズ所属タレントの番組起用は問題がないと開き直ってしまう。このお墨付きを与えてきた側の責任が宙吊りのまま再発防止策の要望が出されても都合のいい掌返しに見えてしまう。寧ろ要望を機に誰が逃げ切りを図っているのかに光を当て直していく必要があるし、性被害者の支援はどうしていくのか、番組基準はどうしていくのか、積み残された課題も置き去りにしてはならない。
テレビ局は、ジャニー喜多川氏が性加害を恒常的に行うための必要条件と寄与条件を作ったと言えます。
テレビ局はジャニーズ事務所のみに忖度し、ジャニー喜多川氏の性加害や不祥事を報道しなかったと同時に、同業他社のタレントをテレビ番組から排除することで、ジャニー喜多川氏に認められなければ男性アイドルのスターになれない環境を構築しました。
統一教会の信者が集まる会合に政治家が出席しただけで「お墨付きを与えてきた」とするのであれば、ジャニーズ所属タレントを毎日20番組もテレビ出演させて全国に放映しているテレビ局は、数十年間365日にわたって数千万人の国民に対してジャニー喜多川氏へお墨付きを与えてきた存在と言えます。
テレビ局とジャニーズ事務所の強固な結びつきによる、ジャニーズ所属タレントの起用や同業他社タレントの排除については、独占禁止法に抵触する可能性が指摘されています
紀藤正樹弁護士、ジャニーズ事務所のテレビ局への圧力報道に「もはや公取案件」と独禁法違反の可能性指摘:中日スポーツ・東京中日スポーツ
https://www.chunichi.co.jp/article/778126弁護士の紀藤正樹さんが28日にX(旧ツイッター)を更新し、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題を巡り、同事務所がテレ...