「経営者に甘い」
「経営者に甘い」ということについて、怒りをもちながら読みました。
「経営者」に甘いのではなく、「大企業」に甘いのではないでしょうか?
法人税の優遇措置で6兆円超といわれます。ソフトバンクGが納めた法人税はゼロ。
国民健康保険もそうですが、日本はむしろ自営業者に厳しいと感じています。
生産性が悪い小規模事業者であっても、数値には表せない社会貢献をしていると私は思います。
インボイス制度は足腰を弱くさせる
最後に。
私は普段、医療健康をテーマに記事を書くことが多いので、人の体にたとえると、人の健康の鍵は「腸」にあります。
腸には善玉菌、日和見菌、悪玉菌がいるとされてきましたが、決して「善玉菌のみ」を揃えることが腸にいいわけではありません。悪玉菌も時には必要で、「多様性がある腸が健康」ということです。
カメムシの体には、殺虫剤を分解できる腸内細菌がいるそうです。だからカメムシは殺虫剤をまかれても生き延びることができます。
足腰が強い国、企業というのは、いろいろな人がいる、ことではないのですか? どんなことにも対応できるからです。たとえば夜遊びする編集部員ばかりでは、通常の仕事が進みません。けれども、夜遊びする編集部員がいるからこそ時に大スクープがとれる。
インボイス制度は、一見、「善玉菌を揃える」という良いことのようでいて、多様性を認めない、足腰の弱い国に向かう政策ではないでしょうか?
1978年生まれ。ジャーナリスト。日本文藝家協会会員会員。『サンデー毎日』編集部記者を経て、2018年よりフリーランスに。医療健康ジャンルを中心に精力的な取材を続け、週刊誌・月刊誌で多くの記事を執筆。著書に『徳洲会 コロナと闘った800日』(飛鳥新社)、『野良猫たちの命をつなぐ 獣医モコ先生の決意』(金の星社)など。最新刊は『野良猫たちの命をつなぐ』(中公新書ラクレ)。