「日本は悪いことをした」という教育
我々の世代は、先の大戦までの歴史を経験した祖父母から大東亜戦争の真実や空襲の悲惨さを聞いてきたし、父母が戦前戦中生まれであれば幼少期の疎開などについて聞いてきた。そして、「団塊ジュニア」と呼ばれる我々の世代は、戦後史観における負の再生産の教育を受けてきた世代である。
私は、子供が中学生へと成長するなかで、次の世代にこのまま先の大戦をめぐる歴史観を受け継いではならないと強く考えるようになった。私の友人知人たちとこういう話をすると、みな口々に「そうだ」と同意する。
我々の世代は、戦後史観や左派教育を受けてきたために逆に歴史の真実を知ろうとし、書物などの情報だけでなくインターネットの発達を経て、正確な情報を得られるようになった。そして、このままではまずいと気付いた。我々の世代で絶対に変えていかなくてはならない。
先の大戦での日米両国の戦いを経て結ばれた日米同盟は絶対に崩してはならないことは大前提である。この同盟は世界で最重要の同盟だ。しかし、米国追従の考え方があるとするなら変えるべきであり、米国は強大であり日本は米国の助けがないと何もできないという考えは、まさに戦後史観である。
日本は戦前、国際連盟の5常任理事国の1国であったように、米国にも英国にもソ連等にも臆することなく世界でリーダーシップを取る国家であった。しかし、東京裁判により大東亜戦争における日本の行動の全てが連合国により否定され、「日本は悪いことをした」という教育が占領下のGHQによる政策から始まり、徹底的に日本国民は教え込まれてきた。
南京事件「根拠となる文書は存在せず」
先の大戦は、植民地化されていたアジア諸民族の独立解放のための戦いであり、そこに日本の勢力圏の拡大の意図が含まれたとしても、最終的にアジア各国の独立が図られたことは明らかであり、日本がアジア諸民族の解放のための戦いをしなければ、アジア各国の独立のみならずアフリカ諸国の独立も果たされなかった可能性が強い。
GHQはこうした事実が継承されることを恐れ、「大東亜戦争」との呼称を禁止し、「太平洋戦争」と呼ばせるようにした。そして、アジア諸民族の解放と独立のために戦った事実は学校教育現場ではほとんど教えられず、日本は“アジア諸国を侵略した”という全く事実と異なる内容が教えられるようになった。
“南京大虐殺”と称されるものも東京裁判で突如出てきたものであり、広島、長崎への原爆投下、東京大空襲をはじめとする各地の空襲で殺害したおびただしい人々への無差別殺戮の理由付けとして使われた。米国による原爆投下や空襲は無抵抗の一般国民を無差別に殺害するものであり、この事実はしっかりと受け継いでいかなくてはならない。
大分県津久見市の保戸島では小学校へ爆弾が投下され、1年生と5年生は全員が死亡、さらに何とか逃げようとした小学生たちを機銃掃射し、合わせて127人が亡くなった。こうした残虐非道な米軍の行動を歴史の事実として伝え続けていかなくてはならない。
南京戦については、政府は外務省ホームページにおいて、「日本政府としては、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できないと考えている」と記している。
しかし、私の国会質疑を通じて、根拠となる文書は外務省内には存在しないことが明らかになり、政府が根拠の一つと示した、昭和50(1975)年編さんの防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』における「無辜の住民が殺害され」の記述も、「非戦闘員や住民が巻き添えをくらって死亡した」との前提に記されていることを私は明らかにした。