「大東亜戦争」との呼称を禁止したGHQ 我々の世代で戦後史観からの脱却を!|和田政宗

「大東亜戦争」との呼称を禁止したGHQ 我々の世代で戦後史観からの脱却を!|和田政宗

まもなく8月15日の終戦の日を迎える。広島原爆の日、長崎原爆の日、東京大空襲をはじめとする各地の空襲により亡くなった方々への慰霊の日を経て、8月15日がやってくる。改めて感じることは、我々50歳前後を中心とする世代がしっかりと先の大戦の事実を伝えていかなくてはならないということであり、東京裁判史観、戦後史観からの脱却を果たさなくてはならないということである。


「日本は悪いことをした」という教育

我々の世代は、先の大戦までの歴史を経験した祖父母から大東亜戦争の真実や空襲の悲惨さを聞いてきたし、父母が戦前戦中生まれであれば幼少期の疎開などについて聞いてきた。そして、「団塊ジュニア」と呼ばれる我々の世代は、戦後史観における負の再生産の教育を受けてきた世代である。

私は、子供が中学生へと成長するなかで、次の世代にこのまま先の大戦をめぐる歴史観を受け継いではならないと強く考えるようになった。私の友人知人たちとこういう話をすると、みな口々に「そうだ」と同意する。

我々の世代は、戦後史観や左派教育を受けてきたために逆に歴史の真実を知ろうとし、書物などの情報だけでなくインターネットの発達を経て、正確な情報を得られるようになった。そして、このままではまずいと気付いた。我々の世代で絶対に変えていかなくてはならない。

先の大戦での日米両国の戦いを経て結ばれた日米同盟は絶対に崩してはならないことは大前提である。この同盟は世界で最重要の同盟だ。しかし、米国追従の考え方があるとするなら変えるべきであり、米国は強大であり日本は米国の助けがないと何もできないという考えは、まさに戦後史観である。

日本は戦前、国際連盟の5常任理事国の1国であったように、米国にも英国にもソ連等にも臆することなく世界でリーダーシップを取る国家であった。しかし、東京裁判により大東亜戦争における日本の行動の全てが連合国により否定され、「日本は悪いことをした」という教育が占領下のGHQによる政策から始まり、徹底的に日本国民は教え込まれてきた。

Getty logo

南京事件「根拠となる文書は存在せず」

先の大戦は、植民地化されていたアジア諸民族の独立解放のための戦いであり、そこに日本の勢力圏の拡大の意図が含まれたとしても、最終的にアジア各国の独立が図られたことは明らかであり、日本がアジア諸民族の解放のための戦いをしなければ、アジア各国の独立のみならずアフリカ諸国の独立も果たされなかった可能性が強い。

GHQはこうした事実が継承されることを恐れ、「大東亜戦争」との呼称を禁止し、「太平洋戦争」と呼ばせるようにした。そして、アジア諸民族の解放と独立のために戦った事実は学校教育現場ではほとんど教えられず、日本は“アジア諸国を侵略した”という全く事実と異なる内容が教えられるようになった。

“南京大虐殺”と称されるものも東京裁判で突如出てきたものであり、広島、長崎への原爆投下、東京大空襲をはじめとする各地の空襲で殺害したおびただしい人々への無差別殺戮の理由付けとして使われた。米国による原爆投下や空襲は無抵抗の一般国民を無差別に殺害するものであり、この事実はしっかりと受け継いでいかなくてはならない。

大分県津久見市の保戸島では小学校へ爆弾が投下され、1年生と5年生は全員が死亡、さらに何とか逃げようとした小学生たちを機銃掃射し、合わせて127人が亡くなった。こうした残虐非道な米軍の行動を歴史の事実として伝え続けていかなくてはならない。

南京戦については、政府は外務省ホームページにおいて、「日本政府としては、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害があったことは否定できないと考えている」と記している。

しかし、私の国会質疑を通じて、根拠となる文書は外務省内には存在しないことが明らかになり、政府が根拠の一つと示した、昭和50(1975)年編さんの防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 支那事変陸軍作戦』における「無辜の住民が殺害され」の記述も、「非戦闘員や住民が巻き添えをくらって死亡した」との前提に記されていることを私は明らかにした。

関連する投稿


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

衆院選が終わった。自民党は過半数を割る大敗で191議席となった。公明党も24議席となり連立与党でも215議席、与党系無所属議員を加えても221議席で、過半数の233議席に12議席も及ばなかった――。


衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

「石破首相は総裁選やこれまで言ってきたことを翻した」と批判する声もあるなか、本日9日に衆院が解散された。自民党は総選挙で何を訴えるべきなのか。「アベノミクス」の完成こそが経済発展への正しい道である――。


石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

9月27日、自民党新総裁に石破茂元幹事長が選出された。決選投票で高市早苗氏はなぜ逆転されたのか。小泉進次郎氏はなぜ党員票で「惨敗」したのか。石破新総裁〝誕生〟の舞台裏から、今後の展望までを記す。


青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

8月23日、青山繁晴さんは総裁選に向けた記者会見を行った。最初に立候補を表明した小林鷹之さんに次ぐ2番目の表明だったが、想定外のことが起きた。NHKなど主要メディアのいくつかが、立候補表明者として青山さんを扱わなかったのである――。(サムネイルは「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」より)


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。