パワハラで幻となった“小池晃委員長”
ただ、その小池氏もついに反省と謝罪に追い込まれた。
昨年11月 14日の常任幹部会で小池氏はオンラインで公開されていた会議での高圧的な言動が問題視され、党規約に基づく警告処分が下された。小池氏は同日の記者会見で「会議での私の言動はパワーハラスメントそのものであり、あってはならないことだった。私自身の品性の上での弱点があらわれたと自己総括している」との反省を述べた。
問題は同月5日、全国地方議員・候補者会議で起きた。小池氏は報告者を務めたが、その際、候補者の名前を間違えて発言していた。司会をしていた田村智子政策委員長(副委員長)が、間違いを訂正したが、これに小池氏が激昂し、田村氏に近づき「訂正する必要はない。ちゃんと読んでいる」などと強い口調で叱責した。
この様子を私もネット動画で見たが、小池氏の態度を知っている私にとっては、上から目線のふてぶてしい物言いは小池氏の〝いつものこと〟だから、正直、何が問題なのか、気づけなかった。小池氏の叱責を受けている田村氏の態度も、ふつうのこととして受け流しているようにも見えた。
しかし、まずいことにこの会議は全国にオンライン中継されていたから、小池氏が田村氏を見下して叱る様子を多くの人が目撃することになった。中継後、党本部に「パワハラではないか」という抗議が殺到したという。
結局ここでも小池氏は世論に「全く反論できなかった」。いや、パワハラ行為から10日もたってから、ようやく反省の弁に至ったということは、この間に小池氏が懊悩していたというべきか。
いずれにしても、このパワハラの件で小池氏の党委員長就任の道は閉ざされてしまった。早く謝ってしまえば良いものを……と思わざるを得ないのである。