原発処理水
畠山澄子氏:関係者の理解なしには(処理水の海洋放出を)行わないというのは、言っているだけではなくて、きちんと文書で約束している。約束破るのはだめじゃないですかというのがまず一つある。
東京電力は汚染水を保管しておく土地がないと説明していて、もうちょっと詳しく言うと、今は土地があるが、今後廃止措置が進んでいくと、放射性廃棄物が増えてくるし土地がなくなりますと説明している。その廃止措置を見てみると、まだ決まっていないことがすごくたくさんある。
例えば福島第一にはデブリが800トン以上ある。放射線量が高くていまだ取り出すことができない。つまり足りなくなると言っている土地が本当に足りなくなるのかもわからないような状態だ。
今週も絶好調なピースボート共同代表・畠山氏
福島第一原発の燃料デブリ冷却のために発生する汚染水は原発敷地内のタンクに保存され、港湾内に完全に封じ込めていることが当初からの海水モニタリングによって確認されており、安倍首相が東京五輪誘致のプレゼンにおいて「アンダーコントロール」という言葉で世界に向けて説明しました。
しかしながら、サンモニをはじめとするテレビは、この安倍首相発言に対して「アンダーコントロールなどされていない」と科学的根拠なく否定しました。原発事故後の一定期間において、コロナと同様「反原発」はテレビにとっての超有料コンテンツであり、テレビは福島の漁業を貶める風評を好き放題に拡散したのです。
さらにサンモニをはじめとするテレビは、風評被害が発生するという根拠で、科学的な安全が証明されている処理水を海洋放出することを問題視しました。風評を流布した当事者が風評被害が発生するという理由で、科学的に安全な措置を問題視したのです。
しかも廃止措置の計画がどのように進められようと、燃料デブリの冷却が必要な以上、増え続ける汚染水を保管しておく土地が不足するのは事実です。廃止措置の全容が決まっていないから「本当に足りなくなるのもわからない」とするのは極めて問題があります。