野生動物
サンモニ・アナウンサー:今北海道ではヒグマが街中まで出没するケースが増えています。その背景を探ると、人間の都合に振り回される野生動物の姿が見えてきました。なぜ今ヒグマの出没が増えているのでしょうか。
その原因の一つが、個体数の増加です。かつて北海道でヒグマは害獣として恐れられ、冬眠明けのヒグマをハンターが狙う春熊駆除を実施していました。ところが環境保全や動物愛護の意識が高まる中、絶滅を危惧する声が出ると1990年には春熊駆除を排し、以後ヒグマの個体数は2倍以上に増加したと推定されています。
人類の敵から一転、世界に誇る野生動物として保護が謳われ、数が増えると今度は厄介視されるなど、人間に翻弄されてきたヒグマ。そして人間たちに翻弄される野生動物は、ヒグマだけではありません。
この主張に従えば、ことあるごとに野生動物の出没を問題視するとともに野生動物の絶滅を危惧してきたサンモニも、野生動物を翻弄してきた当事者と言えます。その当事者が「人間の都合に振り回される」とするのは質が悪すぎます。サンモニは放送を通じて、野生動物だけではなく人間をも翻弄しているのです(笑)。
個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。