2022年、大いなる悲しみ 安倍元総理はもういない|和田政宗

2022年、大いなる悲しみ 安倍元総理はもういない|和田政宗

対中国、対ロシア、対国際社会、防衛費増額における財源問題、日銀総裁人事……安倍元総理が生きてくださっていれば、と思うことが多々ある。しかし、安倍元総理はもういない。今こそ我が国は戦後史観を転換し、アジアのみならず世界の平和を守るためのリーダーとなることを目指すべきだ。


安倍元総理がご存命であれば……

今年も1年が終わろうとしている。忙しさとともに新しい年を迎える喜びがある年末のはずだが、今年は大いなる悲しみのもと暮れていこうとしている。7月の安倍晋三元総理の暗殺は、とてつもない衝撃と悲しみであった。容疑者の境遇から、安倍元総理にも暗殺された原因があるかのような論調があるが、全くそれはあたらない。

暗殺という非道であることに変わりはなく、民主主義の根幹である選挙運動中の銃撃であり、政治家の命を力ずくで奪ったという事実を我々は直視しなくてはならない。我が国の民主主義を守るためにも、暗殺を強く非難し、二度とこのようなことを起こしてはならない。

そして、悲しみとともに、安倍元総理が生きてくださっていれば、と思うことが多々ある。あまりにも偉大な存在であったことを痛感する。年末の防衛費増額における財源問題でもそうである。2027年度以降、毎年度不足するとされる1兆円の財源について増税の方向性が示されたが、安倍元総理がご存命であれば、もっと慎重かつ熟議を重ねた結論になったことと思う。

安倍元総理は「防衛予算は次の世代に祖国を残していく予算だ」と発言し、防衛国債発行の必要性を述べていたが、これは年末の自民党税制調査会の議論では全く排除された。私は安倍元総理がおっしゃった通り防衛国債の発行を最後まで税制調査会において進言したが、安倍元総理に近しく教わっていた方々の中にも増税容認の発言をした方もおり、安倍元総理に教わったことをそのまま実行しようと思う私などからすると驚きであった。

財源問題は来年1年かけて、政務調査会、税制調査会でしっかりと論議し、安定的かつ皆様が納得する形の枠組みを示していきたい。

Getty logo

黒田路線を継承するのか非継承なのか

対中国、対ロシア、対国際社会においても、安倍元総理がいてくださればと思うことが多くある。安保3文書の改定等で抑止力は高まるが、中国は台湾侵略、尖閣侵略を狙っており、いざ中国が侵略を始めた時には、日米同盟を軸に国際社会の支援が重要となる。

その際、戦後この上ない日米関係を築き、国際社会においてこれまでにない外交上の位置まで日本を高めて下さった安倍元総理がいらっしゃれば、国際社会との結節はより強いものとなったであろう。安倍元総理は、国際社会から強い信頼を受ける世界のトップリーダーであり、中国に対峙する時、また和平の時にも大きな力を頂けたことと思う。

しかし、安倍元総理はもういない。いざという時にそうした行動が取れるリーダーを我が国が輩出していくことが重要であるし、間に合わないのであれば皆が結束して力を発揮しなくてはならない。

そして、経済である。アベノミクスによって、その一丁目一番地である雇用環境は改善したが、新型コロナ禍で近年は厳しい面も出てきた。これを乗り越え、雇用環境の再びの改善、賃金アップ、所得向上のためには、アベノミクス路線をより強くするとともに金融緩和を継続することが重要である。

しかし、来年4月の日銀総裁人事で黒田路線を継続しない新総裁が誕生すれば、日本経済はまたデフレ不況に戻ってしまう可能性がある。

日銀総裁人事も、安倍元総理がご存命であれば岸田総理から相談を受け、黒田路線の継承が必要であることをアドバイスされたと思うが、現状においては誰になるのか、黒田路線を継承するのか非継承なのか全く不明であり、経済界や市場の不安につながっている。

日本経済の将来のためにも、黒田路線を継承する人物の日銀総裁を切に願う。

関連する投稿


全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米に広がる「反イスラエルデモ」は周到に準備されていた――資金源となった中国在住の実業家やBLM運動との繋がりなど、メディア報道が真実を伝えない中、次期米大統領最有力者のあの男が動いた!


衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

4月28日に投開票された衆院3補選は、いずれも立憲民主党公認候補が勝利した。自民党は2選挙区で候補者擁立を見送り、立憲との一騎打ちとなった島根1区でも敗れた。今回はこの3補選を分析し、自民党はどのように体勢を立て直すべきかを考えたい。(サムネイルは錦織功政氏Xより)


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


最新の投稿


日本保守党初陣の裏方日記|広沢一郎

日本保守党初陣の裏方日記|広沢一郎

日本保守党事務局次長の広沢一郎氏が日本保守党の初陣となった選挙戦の舞台裏をはじめて綴る。〈あれこれ探している時間がなかったので今回は私が2011年の県議選用に買った自転車を名古屋から運びました〉


【今週のサンモニ】病的反日陰謀論の青木理氏は今週も絶好調|藤原かずえ

【今週のサンモニ】病的反日陰謀論の青木理氏は今週も絶好調|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米に広がる「反イスラエルデモ」は周到に準備されていた――資金源となった中国在住の実業家やBLM運動との繋がりなど、メディア報道が真実を伝えない中、次期米大統領最有力者のあの男が動いた!


薄っぺらい記事|なべやかん遺産

薄っぺらい記事|なべやかん遺産

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「薄っぺらい記事」!


【今週のサンモニ】「報道の自由度」ランキングを使ってミスリード|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「報道の自由度」ランキングを使ってミスリード|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。