コレクターの執念
モンスター作りの神、マーセル・デルガド氏彫刻のジョー・ヤング。映画博物館を作るとしたら、これは絶対に飾りたい。
象徴的な物と言えば“顔”である。映画で使われるモンスターや怪獣はラテックスやラバーで作られる事が多いので、時が経つと腐るし崩れる。なので、古い作品に登場したモンスターや怪獣は、劣化のためこの世に残っている物が少ない。崩れ行く物を何とか残したい、これもコレクターの執念だ。
そんな執念の籠った物がマーセル・デルガドが作った『猿人ジョー・ヤング』(1949)の顔を型取りした物だ。マーセル・デルガドは、『キングコング』(1933)を作った人だ。特殊造形界のレジェンド中のレジェンド。キングコングが無ければゴジラも生まれていないかもしれない。
なのでマーセル・デルガドは、モンスター作りの神と言えよう。その神が彫刻した物を何としても後世に残したい、そんな思いで劣化し崩れかけたジョー・ヤングの顔にシリコンをかけ型取りした人がいた。これこそ執念。テレビ番組で鑑定士さんに値段を聞いたら、おそらくビックリするくらい安値が付くだろう。ヤフオクでも同じ結果だと思う。
でもね、この顔の意味するものって物凄いのだよ。モンスターの歴史が残っているのだから。そこがわからないようだと、こっちとしては悲しくなってくる。
恐竜のDNAを保存していたカプセル。普通の売っているカプセルを使っている。
木の破片。ロケ地はハワイ。