リニア妨害、川勝平太知事の新たな“難癖”|小林一哉(静岡新聞元記者)

リニア妨害、川勝平太知事の新たな“難癖”|小林一哉(静岡新聞元記者)

「62万人の『命の水』を守る」とリニア工事を妨害してきた川勝知事。地元記者・小林一哉氏が『知事失格』(飛鳥新社刊)で、その「命の水」の嘘を暴いたが、川勝知事は頬かむりを続けている。それどころか、リニア工事について、新たな“難癖”をつけて妨害する始末……。リニアは沿線都府県だけの問題ではなく、日本経済全体の問題。川勝知事のエゴで止めていいはずがない!


川勝知事「命の水」の嘘

川勝平太静岡県知事は「リニア工事は深刻な水不足を招く。62万人の『命の水』を守る」と繰り返し、リニア工事を妨害している。
 
ほとんどの県民は川勝知事のこの「命の水」に共感して、昨年6月の知事選でも川勝知事に票を入れ、自民候補に約33万票の大差をつけて当選した。
 
私は、8月初旬に上梓した『知事失格』で、川勝知事の「命の水」が真っ赤な嘘であることを告発した。詳しくは、本書を手に取ってもらいたいが、簡単に言えば、大井川広域水道を利用しているのは26万人に過ぎず、その26万人も水不足に悩んだことはなく、もし、万が一、本当にJR東海のリニアトンネル工事の影響があったとしても、下流域には地下水源が豊富にあり、流域の住民たちが水不足に困ることはない。
 
JR東海は何も対策を取らなければ、大井川の表流水に毎秒2?の減少があると説明しているに過ぎない。当然、減少分を抑える工事対策だけでなく、導水路、ポンプアップで毎秒2?を上回る毎秒2・67?を大井川に戻す方策を明らかにしている。

昨年12月には、国の有識者会議がトンネル工事による下流域の水の影響はないと太鼓判を押した。
 
それでも川勝知事は、工事中(10カ月間)の約500万?の県外流出を認められないという姿勢を変えない。
 
川勝知事は『知事失格』を読んだ上で、リニアトンネル工事批判の論拠とする62万人の「命の水」が真実であることを、ちゃんと説明できなければ、すべての発言が嘘となってしまう。これでは静岡県民全体が川勝知事のエゴにつきあっていることになり、全国から非難を受けるだろう。
 
8月8日、9日の2日間に行われたリニア問題の関連イベントでも、川勝知事の嘘に驚かされた。

今日と昨日で言ってることが正反対

8月8日のリニア工事現場視察で「燕沢」の残土置き場を頭から否定した川勝知事(南アルプスのリニア工事現場、筆者撮影)

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