地元記者が暴く川勝平太静岡県知事の正体|小林一哉

地元記者が暴く川勝平太静岡県知事の正体|小林一哉

静岡県の川勝平太知事は、6月の知事選の期間中、富士市で開かれた集会で、「(静岡文化芸術大の学生は)8割ぐらい女の子。でも、11倍の倍率を通ってくるので、みんなきれい」などと女性蔑視とも受け取れる発言した。一応、川勝知事は記者団の取材に「撤回して謝罪する」と述べたが、川勝知事のトンデモ発言はこれだけではない! 地元記者として、川勝知事をウォッチしてきた筆者が、徹底追及!


オフィシャルサイトより

川勝知事の中身の薄さ

2020年、国会で激しい論戦が繰り広げられ、ほとんどの国民が初めてその存在を知ることとなった「日本学術会議」。静岡県ではいち早く、川勝平太知事が日本学術会議の任命拒否問題に参戦したが、ただ顰蹙だけを買って終わった。
 
リニア静岡問題で県内では人気の高い知事だが、任命拒否の問題発言で「学者知事」の中身の薄さが全国的に知られてしまった。
 
本稿では“お騒がせ知事”、川勝平太の正体に迫りたい。
 
2020年10月7日の定例会見で任命拒否問題について訊かれた川勝知事は「菅義偉という人物の教養レベルが図らずも露見した」と痛烈な首相批判を始め、自身の学歴を鼻にかけたような侮辱的な発言を口にした。

「菅さんは秋田に生まれて小学校、中学校、高校を出られた。東京に行って働いたけれど、勉強せんといかんということで、学位を取られ、その後、政治の道に入った」

「夜学に通い、単に単位を取るために大学を出た。学問をされた人ではない」

続いて、美濃部事件、滝川事件を例に挙げ、任命拒否を戦前の言論弾圧になぞらえた。さらに、福澤諭吉が一万円札に刷られていると話題を変え、『学問のすゝめ』の一節を引き合いに出して、「学問立国に泥を塗るようなこと」 「権力が介入すると御用学者ばかりになる」などとまくし立てた。
 
またもや「川勝劇場」が始まったのかと、静岡県民の一人として半ばあきれた。

川勝劇場は「川勝激情」

川勝知事は一九四八年、京都府生まれ。早稲田大学政経学部、同大学院を経て、オックスフォード大学へ留学。帰国後、早稲田で教鞭を執り、京都の国際日本文化研究センターに移った。2007年、静岡文化芸術大学学長に就き、2009年、静岡県知事選で初当選、現在、三期目である。
 
劇場型の政治手法で知られた「小泉劇場」と違うのは、「川勝劇場」の場合、直接、静岡県政とはかかわりのない問題でも手厳しい批判を繰り広げることだ。知事の“激情”パワーを誰も止められないから、「川勝劇場」ではなく、「川勝激情」と言ったほうが正しいだろう。

今回は、日本国のリーダーである菅首相を徹底的にこきおろした。驚くほど攻撃的なことばが次から次へと続き、まさに「川勝激情」全開だった。

記者会見に参加するほぼ30代前後の記者たちは、知事から見れば大学時代の教え子たちよりもずっと若い。72歳の元大学教授は豊富な語彙のなかからことばを選び、歴史上の事件や人物らを適当にちりばめる。
 
特に好きな「五箇条の御誓文」第一条、「万機公論に決すべし」を決めゼリフに使うことが多い。記者たちは脈絡なくあちこちに飛ぶ知事の話についていくだけで必死である。
 
テレビ、新聞のカメラを前に、メリハリのきいたよく通る声の調子で、身振り手振りよろしく、時折、自信たっぷりに壇下を睥睨する。まるで大向こうをうならせる歌舞伎役者と重なるから、「川勝劇場」を楽しみにしている県内の女性ファンも少なくない。
 
だが、今回の首相のメッタ斬りは県民には痛快事に映らなかった。

「教養のレベルが露見」 「学問をしなかった」云々は菅首相に対するいわれなき中傷で、県内外から1000件以上の苦情や批判が寄せられた。自民県議団の抗議に対して、川勝知事は夜学は間違いであり、任命拒否についても「事実認識」が不正確だったと謝罪した。
 
10月16日の謝罪会見で、知事は「任命拒否したのは官房副長官であり、菅首相が6人の学者に否定的意見を下したのではない。任命拒否した者は教養のレベルが問われる。それは菅首相の教養のレベルとは直接、結びつかない」など批判の前提となる「事実認識」が間違っていたと釈明した。

これで首相ではなく、官房副長官の「教養のレベルが問われる」ことになった。
 
釈明のなかで、知事はこうも述べている。

「突然訊かれて発言して、それが物議を醸したことはあるが、いまここにいる職員を含めて、広く会議を興し万機公論に決すというスタイルでやってきた。したがって、わたしの意見は同時に職員の意見でもある」
 
職員は、知事の「事実認識」があまりに珍妙な理屈だと承知していたが、“激情”知事が怖くて、意見ひとつ言い出せないだけである。

関連するキーワード


小林一哉 川勝平太 静岡県

関連する投稿


リニア妨害、川勝平太知事の新たな“難癖”|小林一哉(静岡新聞元記者)

リニア妨害、川勝平太知事の新たな“難癖”|小林一哉(静岡新聞元記者)

「62万人の『命の水』を守る」とリニア工事を妨害してきた川勝知事。地元記者・小林一哉氏が『知事失格』(飛鳥新社刊)で、その「命の水」の嘘を暴いたが、川勝知事は頬かむりを続けている。それどころか、リニア工事について、新たな“難癖”をつけて妨害する始末……。リニアは沿線都府県だけの問題ではなく、日本経済全体の問題。川勝知事のエゴで止めていいはずがない!


静岡知事は国益の損失を認識しているか|太田文雄

静岡知事は国益の損失を認識しているか|太田文雄

中国が日本の新幹線技術の知的財産を入手し、自国で開発したと言って世界に売り込んだように、日本のリニア新幹線完成が川勝知事の反対で遅れれば、リニア新幹線でも中国は日本に先んじて実用化し、世界に売り込むであろう。軍事転用可能なリニア新幹線の超電磁技術を中国が持てば大変な脅威に晒される。


最新の投稿


虚しき岸田政権のコピペ外交|山口敬之【WEB連載第21回】

虚しき岸田政権のコピペ外交|山口敬之【WEB連載第21回】

11月13日、東アジアサミットで中国を名指しで批判した岸田首相。「岸田首相は覚醒した」「初めて毅然とした姿勢を示した」と評価する声も出たが、はたして本当にそうだろうか。岸田首相の発言を検証すると、バイデン大統領の発言と「ウリ二つ」であることがわかった――。(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】中台統一に「タピオカ屋」まで使う習近平 川島真、小嶋華津子編『UP Plus 習近平の中国』(東京大学出版会)

【読書亡羊】中台統一に「タピオカ屋」まで使う習近平 川島真、小嶋華津子編『UP Plus 習近平の中国』(東京大学出版会)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする週末書評!


韓国のプロパガンダに使われたNHK「緑なき島」|和田政宗

韓国のプロパガンダに使われたNHK「緑なき島」|和田政宗

「軍艦島は地獄島だった」「強制連行されたうえ劣悪な環境で働かされ、多くの人が命を落とした」。このような韓国のプロパガンダは、NHKの短編ドキュメンタリー映画「緑なき島」から始まった。NHKの捏造疑惑について国会で何度も質問をしたが、NHKはいまだにはぐらかし続けている――。


デサンティス知事の圧勝が教えるもの|島田洋一

デサンティス知事の圧勝が教えるもの|島田洋一

大勝を収めた結果、デサンティス氏は一躍、2年後の大統領選における最有力候補の1人と目されるに至った。デサンティス氏はまた、中国共産党政権によるスパイ行為を防ぐため、フロリダに本拠地を置く諸大学が中国人の研究者や中国の大学と行う共同プロジェクトに制限を課す州法の制定を議会に促してきた。


3年ぶりの日韓首脳会談 日本は言うべきことを言えたのか|和田政宗

3年ぶりの日韓首脳会談 日本は言うべきことを言えたのか|和田政宗

約3年ぶりに開かれた日韓首脳会談は、岸田総理と尹大統領の初会談でもあった。初会談は相手にくさびを打ち込む重要な会談である。はたして岸田総理は、韓国にくさびを打つことができたのだろうか。(サムネイルは首相官邸HPより)