トランプ支持者はすべてQアノンなのか
米大統領選挙でトランプ大統領の再選が阻止された場合、トランプ本人、トランプのブレーン、トランプ支持者全般に対して激しい言論封殺が行われるであろうことは容易に想像ができた。
本来、民主主義の原点は、「全く賛成できない意見に対しても、その意見を述べる権利を認める」ことだったはずだ。ところが、いまや主流メディアの一翼となったSNSは、気に食わないアカウントを一方的に閉鎖するという手段を有し、それを大規模に実行した。
一般人に対してはアカウント閉鎖を行う一方で、競合するSNSに対してはアプリをストアから排除したり、サーバーホスティングサービスを停止したりした。これだけでも重大な言論弾圧だが、トランプ支持者を一括りに「陰謀論者」と決めつけ、危険な「カルト集団」と見なして排除しようとすることは、実に危険で馬鹿げた行為だ。
近年米国を中心に西洋社会で急速に台頭しているネオ・マルクス主義と呼ばれる極左全体主義による伝統的民主主義への攻撃である。米国のSNSを含む主流メディアと民主党は完全にこの極左イデオロギーに毒されている。中国の国有グローバルテレビネットワークのCGTNでは元CNNの記者が大勢働いている。
先の大統領選では少なくとも7400万人のアメリカ人がトランプに投票したわけだが、その7400万人はトランプを支持したこと以外は多種多様な人々である。トランプ大統領は数多くの集会を開いたが、常に平和的で暴力沙汰になったことはなかった。
それにも拘らず、主流メディアもバイデン政権も、次のようなレッテル貼りをしてトランプ支持者や保守派を抹殺しようとしている。
トランプ支持者 → 選挙に不正があったと主張 → 政治的過激思想の持主 → Qアノンの過激信者 → 危険なカルト→議事堂乱入→取り締まりの対象
当然ながら、トランプ支持者=Qアノンではない。私自身も最近までそれが何なのかよく知らなかった。あくまでも、トランプ支持者のなかにQアノンと呼ばれる人々がいた、というだけのことで、組織化されているわけではない。
Qアノンとは月刊『ムー』の読者のようなもの
しかし、なぜQという謎のメッセンジャー(飛行機事故で亡くなったJ.F.ケネディJrは生きている――)とそれを信じる人々が危険と見なされるのか。
どうやらその理由は、民主党とそれを支持するエリート層がサタニズム(悪魔崇拝)を信奉し、かつ、ペドファイル(児童性愛者)の集まりで凶悪な犯罪組織を構成しているという告発が根っこにあるようだ。
エプスタインという富豪がカリブ海の島に未成年の少女を集めて性的サービスを行わせ、そこにオバマ前大統領を始め、そうそうたるセレブ・エリート層が招待されていた、という話は事実で、エプスタインは逮捕され、拘留中に自殺したと報じられている。
したがって、まったく根拠がないわけではないが、もし、脚色された陰謀論の類なら、無視すればいいだけのことだろう。ここでのポイントは、人が何を信じようと、それは個人の自由だということである。その個人または集団が違法行為を計画したり、実行した場合に問題となる。
Qという謎の人物が語る話を信じているだけでは犯罪にはならない。Qがクーデターなどを呼びかけていれば別だが、そういうわけではなく、Qアノンとは月刊『ムー』の読者のようなものだ。
1月6日の議事堂乱入もAntifaやBLMを含む様々な人間が入り乱れたもので、Qの指令によるものではなく、トランプ大統領のスピーチに喚起されたものでもない。事前にパイプ爆弾を仕掛けた人間がいたようだが、正体は不明だ。
ところが、バイデン政権で新たに任命されたDNI(国家情報長官)のヘインズ元CIA長官は、Qアノン現象がどのように伝播したか、FBIを使って調査するとまで言っている。
なぜそこまでムキになる必要があるのか。