朝日新聞社による「3度の報道被害」
このところ、朝日新聞を揶揄する論調が各誌に見られるが、どうしてどうして、相手は従軍慰安婦なる疑似イベントを世界中にまき散らし、日本国の名誉を泥にまみれさせるという、国家をも凌ぐ偉業を成し遂げた、強大な権力をいまも保持している。
新聞は、社会の木鐸だという。ついでながら説明しておくが、古代中国で、大きな鐘のようなものを、木製の舌でならしながら法令を布告した故事によるものらしい。この木鐸の音色が、日本ではときどき狂うことがあるから困りものだ。
また、新聞は、無冠の帝王とも言われる。この帝王、ときおり冠を欲しがるから、これまた問題である。
社会の木鐸、無冠の帝王の代表として、自他ともに許す存在が朝日新聞である。私ごとだが、私も朝日の報道被害に、3度も遭っている。この新聞社が、取材をしない、あるいは取材した場合でも、報道しない権利を強硬に主張することが、最近、ようやく知られるようになってきた。朝日新聞の主張に沿った事案しか報道しないのだから、一種の婉曲な言論弾圧と言えるかもしれない。
事前取材、いっさいなし
私の場合、最初は、いまから30年ほど昔に始まった。当時人気のかの筑紫哲也氏が名物編集長だった『朝日ジャーナル』誌上だった。原子力発電に関する特集に、なぜか私の名が載ったのである。
1986年5月16日号『朝日ジャーナル』に、「私たちを『未開人』と嘲った『識者』一覧──反原発運動からの告発」というタイトルで掲載されたもので、そのなかに私も含まれていた。
その発言はこういうものだった。